Q4

■再生医療と私たちの価値観(身体や生命、病、健康についての)との関わり

健康の維持や回復を優先するか、生活習慣の維持を優先するか?(その選択は、再生医療技術の有無によって変化するか?)

【アジェンダ】

健康についての考え方は、人によってさまざまだと考えられます。ときには、健康を維持したり病気を治療するために、これまでの生活習慣を変えねばならず、健康の維持や回復を優先するか、生活習慣の維持を優先するか、選択に悩むこともあります。
たとえばあなたはアルコール好きで、医者からこのままだと肝機能に早晩障害が起きると診断され、すぐに酒を一切止めるように言われたとします。以下の2 つの場合に、あなたならどうしますか。

(1)もし、肝機能を修復・増強するために再生医療技術が「利用できない」場合、あなたなら下記の中でどのような行動を取ると思いますか。あなたの考えに最も近いものを選んでください。

【ひとつ選択】

  1. 酒が好きなので、飲酒習慣を止めない。
  2. 自分の身体を大切にしたいので、禁酒する。
  3. 飲酒量を少なめにして、健康にも配慮する。

(2)もし、再生医療技術を利用して肝機能を修復・増強することができるとした場合、あなたなら下記の中でどのような行動を取ると思いますか。あなたの考えに最も近いものを選んでください。

【ひとつ選択】

  1. 再生医療を利用し、飲酒習慣を続ける。
  2. 再生医療を利用せず、飲酒習慣を続ける。
  3. 再生医療を利用し、禁酒する。
  4. 再生医療を利用せず、禁酒する。
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No.003

私が一番重要だと思うこと:

iPS細胞には細胞を再生できるっていう良い面もあるけど、それによって人間の命に対する価値観が変わってしまうこともある。

理由:・再生医療が身近になるぶん、ケガしても「また再生できるからいいや。」という考え方になってしまいそう。 ・体っていうのはそう簡単に治らないって思っているから大切にしようと思うし、危険なものから遠ざかろうとする。だから、再生医療が進んでも、体を大切にするってことを忘れないようにしたい。

No.004

私が一番重要だと思うこと:

iPS細胞を用いて、亡くなる患者さんが少しでも減ってほしい。でも、iPS細胞が身近になって命の尊さに気づかなくなってしまうのは悲しい。

理由:世界にはドナー待ちの人がたくさんいて、それが間に合わなかったために亡くなってしまった人はたくさんいる。でもiPS細胞があればその必要もないし、拒絶反応もでにくくて良い。 でもそのせいで命や身体を大切にしない人が増えてしまったら、戦争や事件が増加してしまうかもしれない。

No.007

私が一番重要だと思うこと:

ES細胞やiPS細胞の持つ可能性はすばらしいものであると同時に、人間の思わぬ危険を含んでいるのかもしれない。

理由:今日発表し合った話の中で、バカバカしいようなものも多々あったが、その批判の中で、もしかするとそうなのかも知れないと思わされるものもあった。日頃のiPS細胞の話ではがん化などのリスクを除いては、まるで奇跡の治療法のように扱われているが、細胞を初期化するという点において、逆らうことのできない時の流れに、逆行した行為だと気づいた。動物としての人間が、その力を手に入れることは、果たして、どうなのだろうか...。

No.012

私が一番重要だと思うこと:

再生医療は善か?

理由:最終的なゴールを考えた場合に、健康に気をつけて体を大切にする生活様式が変わっていってしまう可能性がある。また、生きるということに対する意識の欠如なども考えられる。生命倫理についても考えなおす必要があるのでは?科学技術の発展の歯止めはだれが行えるのか?

No.022

私が一番重要だと思うこと:

研究や社会的利用が進むことにより「健康に気をつけない人がふえる」「自分の身体を大事にしなくなりそう」「生命の大切さが軽く見られるかも」など、社会的な倫理が低下する可能性がある点。

理由:命の重さは、限りがあることに由来しているとも考えられる。非常に有効な手段である一方で命の軽さにつながる、そんなに長生きしても何のためにという考え方もあるということ、人の"心"は再生できないということ。

No.043

私が一番重要だと思うこと:

再生医療の発達で自分の身体を軽視する人がでてくるかもしれない。

理由:人は自分の身体は大事やし、かえがきかないからおろそかにすることはないけれど、タバコとか酒とかドラッグとかで身体がおかしくなっても金さえあれば身体もなんとかなる世の中になってしまったら、しかもそれが低価格にでもなれば、欲望のままに自分の好きなことをする人が増えるはず。

No.052

私が一番重要だと思うこと:

各個人の健康への「ミクロ」な配慮が必要である。

理由:マクロな視点とくに、先端医療技術の推進の立場に立ったとき、これを忘れがちだが、研究者・技術者・政策立案者等を含めて自分の体へのケアという原点に立たないとバランスある方向性は出てこない。

No.063

私が一番重要だと思うこと:

技術が進んでも、その技術は必ずデメリットやリスクがかかっていて、決して安心できるものではないんだなあと思いました。でもそのデメリットやリスクをなおすのは専門家や研究者の人にかかっていると思います。

理由:意見の中でも出て来たんですが、「再生しようとして、まちがった形になるかもしれない」や「体を大切にしないかもしれない」というのが印象に残っています。

No.093

私が一番重要だと思うこと:

臓器のとりかえがきくようになることで、命を軽視するようにならないか。例えば新しい犬種をつくるみたいに細胞をいじって新しい生物ができるのでは?人間に猫の耳はつけられるのでは?!救急でもできる?

理由:臓器のとりかえが出来たら云々ー、というのは私自身確かに!と思って感心したのですが、薬物をやっても臓器をとりかえれるならいいじゃん!...という風になってしまうのでは。もしくは自分の体を改造ーなんてのも簡単にできそうで良いやら悪いやら...

No.120

私が一番重要だと思うこと:

どんどんとっかえていったら自己(アイデンティティ)みたいなものはどうなるのか。

理由:再生医療で自分の体を新しいものにおきかえることが一般的になったら、「自分ってナニ?」という感覚がめばえるように思います。再生できないオリジナルだけが「自分」でそれ以外は部分扱い。そうすると、健康や死に対する気持ちも変わり「自分」とは異なる「他者」に対する意識も変化すると思う。 障害のある方に接することの多い仕事をしているので、「個人」「自己」「個性」「自分」というものを意識してしまうクセがついているからかもしれません。

No.126

私が一番重要だと思うこと:

病気を事前に防ぐ事。予防が大切であると感じた。

理由:iPS細胞やES細胞の発見によって、再生医療の可能性がどんどん広がってきたが、これによって病気になることがあたり前になってしまうように感じる。たしかに、なりたくなくてもなってしまうことは有ると思うが、なることを前提するのではなくて、ならない、ならせないことを前提に考えてほしい。医療の最終地点は予防であるということを念頭においてもらいたい。お金を獲得することを目的にするのではなくて、人間の未来に向かってしっかり考えてもらいたい。

No.129

私が一番重要だと思うこと:

自身の健康管理が怠慢になること。(iPS細胞の再生医療が普及した場合)

理由:私はタバコを吸っているのですが、健康上のことで禁煙をしようと試みています。しかし、健康に問題が生じたら、すぐ再生医療で治せるという状態であれば、禁煙の必要もないからです。(コスト、安全性の問題もありますが...)

No.142

私が一番重要だと思うこと:

現在の自分の体にたいするケアがおろそかになる。

理由:自分がインフルエンザかも知れないと思った時のことだが、とりあえず医者にいかなければ、と思ったし、社会的にもそれが要請されていたかと思う。自分の体のことは医療技術にまかせる、ということがほとんど当たり前のようになっており、当たり前とすら思わなくなる傾向がみられる。インフルエンザ(自分の病気としての)くらいなら、まだいいが、再生医療でそうなると思うとちょっとこわい。

No.166

私が一番重要だと思うこと:

体をいくらでも取っ替えられるようになったら、人を傷つけることに抵抗がなくなってしまうのではないか、そんな倫理観の喪失が恐い。

理由:最近けっこう言われてる「ゲーム有害論」。死んでも生き返るから、という感覚が身についてしまうのだという、私は信じていないが。もし再生医療が発達したら、傷ついても回復できるとなるのではないか、とは思う。ホイミである、ケアルである、やくそうである、宿屋である、ポーションである(注:ケアル、ホイミ、ポーション等はゲームにでてくる回復魔法や回復アイテムの名前)。

No.180

私が一番重要だと思うこと:

簡単に再生できる意識が根付くと体を粗末にしがちになる。

理由:「無くなるから」『大切にする』という気持ちがわいてくるし、それこそが生きるモチベーションであると思う。生きるモチベーションを失ってしまうことは、個人としても人類としても不幸なことのように思える。あと、「傷つけても戻せばよいだろ!」という意識も他者を大切にするというモチベーションを無くすので、社会全体のモラルが崩壊してしまうと思う。