Q17

■再生医療の研究・開発を進めていく際の戦略に関する問題

国の戦略として、総合的に考えて、再生医療はどの対象に利用することを目指して研究・開発を行うか?

【アジェンダ】

再生医療の研究・開発を臨床応用に向けて進めていくにあたっては、患者数は少ないが、現在効果的な治療法のない希少疾患や難病の治療を目的にしたものに絞って研究・開発を行うべきという考えがあります。一方で、患者数が多い生活習慣病なども視野に入れるべきだという考えもあります。これらは、完治はしないが、すでにある程度効果的な治療法が存在する疾患で、再生医療によってより効果的な治療法が確立されることが期待されています。
他方、患者が少ない疾患のみを対象にした場合には、市場が小さいため民間企業が研究・開発に参入しにくくなり、国の公費負担の割合が大きくなります。これに対し、多数の患者がいる疾患を対象にした場合には、より多くの人々が再生医療の恩恵を受けることができるとともに、民間企業が参入し、投資を呼び込み、研究開発を活発にする効果もあると考えられます。その反面、国からの支援が少ない場合には、患者が少ない疾患の研究・開発はなかなか進まないという可能性もあります。
このような状況の中で、様々な疾患の治療への可能性を持つ再生医療は、以下のうちで、どのような対象に利用することをめざして研究・開発を行うのが良いと思いますか。以下のうちからあなたの考えに近いものを一つ選んで下さい。
なお、再生医療が使われる範囲については、Q1(2)-2 で倫理的な観点から考えていただきました。ここでは、上記のような倫理以外の観点も含めて、国の戦略としてどうするべきか、総合的にお考えください。

【ひとつ選択】

  1. 現在効果的な治療法がない疾患のみに研究・開発の対象を絞る。
  2. 1. に加えて現在、ある程度効果的な治療法のある疾患まで含む。
  3. 1.、2. に加えて美容整形・アンチエイジングなども含む。
  4. 再生医療をこれ以上進めなくてよい。
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No.003

私が一番重要だと思うこと:

iPS細胞には細胞を再生できるっていう良い面もあるけど、それによって人間の命に対する価値観が変わってしまうこともある。

理由:・再生医療が身近になるぶん、ケガしても「また再生できるからいいや。」という考え方になってしまいそう。 ・体っていうのはそう簡単に治らないって思っているから大切にしようと思うし、危険なものから遠ざかろうとする。だから、再生医療が進んでも、体を大切にするってことを忘れないようにしたい。

No.007

私が一番重要だと思うこと:

ES細胞やiPS細胞の持つ可能性はすばらしいものであると同時に、人間の思わぬ危険を含んでいるのかもしれない。

理由:今日発表し合った話の中で、バカバカしいようなものも多々あったが、その批判の中で、もしかするとそうなのかも知れないと思わされるものもあった。日頃のiPS細胞の話ではがん化などのリスクを除いては、まるで奇跡の治療法のように扱われているが、細胞を初期化するという点において、逆らうことのできない時の流れに、逆行した行為だと気づいた。動物としての人間が、その力を手に入れることは、果たして、どうなのだろうか...。

No.013

私が一番重要だと思うこと:

再生医療で人は何を得ようとしているのか限りある人生を少しでも長生きをしようと思っているだけなのか、歯磨きをしなくてすむようにするのか、視点のちがいで目的が異なること。

理由:かみの毛を切る期間をぎりぎりまでのばして、お金の節約になっているのかをよく考えることがあります。期間をあけることは、長生きをすることが前提となっており、少しでも長生きをすることを視点としたとき再生医療に意味があるのか?

No.016

私が一番重要だと思うこと:

商売に利用されないか。

理由:人はいつか死ぬのだから、大切なのは長さじゃないと思う。だから専門家の人には寿命をのばす技術だけにとらわれて、人にとって本当によいことなのかというのを見落とさないでほしい。

No.017

私が一番重要だと思うこと:

再生医療によって死ぬ人がいなくなり人口爆発が発生する可能性が生まれる。

理由:停滞を引き起こしかねない。また、DNAをいじりすぎると奇妙な変異を生じさせる場合があるかもしれない。生命はやはり生じて消えることで流れがスムーズにいくのかもしれない。再生医療をどこまで活用するかという到達点については試行錯誤が必要かもしれない。

No.019

私が一番重要だと思うこと:

再生医療で助けられる人は病気の種類に関わらず多くいるので何よりも早い実現を希望しますが、まずは臓器移植を必要としない医療を確立してほしい。

理由:命に関わらないことでも(皮ふ形成等)対応できる医師は少ない現状なのに命がかかっている移植が海外に移動するのも大変なのに、お金も足りず治療が受けられない話を聞くとせつない・・・

No.020

私が一番重要だと思うこと:

延命による人口増加。再生医療を受けたことによる新たな疾病の発生。病気治療以前の問題としての予防医療にも注目してほしい。

理由:実際問題としてES細胞やiPS細胞でどこまでのことが出来るようになっているのか?物理的に身体に欠損があって、その目的の部位の再生が可能なのか?遺伝的な疾患の場合、iPS細胞で遺伝情報まで再生する事が可能なのか?

No.021

私が一番重要だと思うこと:

「商品化していいものと悪いものの境界が分からなくなるのではないか」との不安。

理由:上記は、幅広い意見で捉えると再生医療に対する不安を集約するように思う。再生医療については、まず、医療の進歩として病気に苦しむ人達に役立つという意義は認められると思う。ただ、人の多様性や格差の問題等を考えた時、どこまで商品化するのかを規律することによりそれらの問題にこたえることになると思うため。

No.028

私が一番重要だと思うこと:

iPS細胞はES細胞とは違い、臓器を作るという点においては倫理的な問題はないけれど、その後の利用の仕方を考えてゆくと、倫理的な問題がでてくるのではないだろうかという事。

理由:核をもってはいけないと国際的に決められているのに、隠し持っている国や、日本とは違う倫理観をもつ国がたくさんある。iPS細胞は、個人の臓器移植に、応用がきくがそれと同時に悪用されてしまう可能性が大きい。悪用されると、例えば人間のクローンを作るとかいうおそろしいことが起こるかもしれない。

No.033

私が一番重要だと思うこと:

テロメア(注:細胞の分裂回数を規定する要因の1つの候補)の分裂回数を増やし、アンチエイジング。

理由:なぜなら、左記のものを選んだのは、若々しくあろう、美しくあろうという精神を念頭に置いたものだからだ。確かに見た目で判断されるような社会ではいけないという見方も有るだろう。しかし、我々が美しい絵画や風景を見て感動するように美しいものを追い求めるのは、悪いことではない。重要なのは美しくあろうとする精神なのだ。再生医療により、アンチエイジングや美肌などの効果を得られるなら、人はより豊かな気持ちで人生を謳歌することができるだろう。

No.034

私が一番重要だと思うこと:

人体のパーツを作れるので、放射線をヨウ素材で甲状腺に集めておいて、それを交換することができる。再生医療で放射線のリスクを軽減できる。

理由:世間の人がきちんと考えるべき問題であるのに、一部の人や専門家だけの議論で話が進んでしまっている事が、再生医療や原子力の問題だと思うので、この2つが結びついたのが、とても興味深かった。 (注:原子力施設で異常事態が発生した場合、周辺環境に異常に放出され広域に影響を与える可能性の高い放射性物質としては、主に...揮発性の放射性ヨウ素があります。このうち、放射性ヨウ素については、吸入又は汚染された飲食物の摂取を介して身体にとり込まれると、甲状腺に選択的に集積し、放射線による晩発的影響障害を発生させる可能性があります。原子力安全委員会 http://www.nsc.go.jp/toi/010101-010331.htm

No.064

私が一番重要だと思うこと:

臓器待ちの患者がいなくなれば良い。

理由:今まで神経の再生ばかり考えていたが臓器の再生については考えた事がなかった。(脊髄損傷の会を主催しているので)、再生医療の可能性はどこまであるのか非常に期待しています。

No.065

私が一番重要だと思うこと:

iPS細胞で医療の再生医療に出して、医療に関してすごく未知な物でも再生できるのか?

理由:この内容で本当に再生するのなら、この世界に生きていて不便な事や、物にならない物が治せることなら素晴らしいと思ったからです。私は将来医療系の仕事をしたいのですが、もし、将来(未来)iPS細胞で病気が治せるすばらしい社会を夢見たからです。

No.070

私が一番重要だと思うこと:

再生医療を何に使うべきか、明確にすべきである。目的の明確化。

理由:医療費増大や人口増加など社会的不安につながりかねない。

No.073

私が一番重要だと思うこと:

不老不死の実現。

理由:生物として「死」にも意味があると思うのですが、再生医療によって「不死」になることに問題はないだろうかと思う。「進化」は生と死のくり返しの結果として実現したと思えるので、「不死」になることで、人類の破滅に至るのではないだろうか。

No.082

私が一番重要だと思うこと:

多くの病の人が助かる(今までにない変化→革命かも)。

理由:臓器不全の人(心筋梗塞etc)が、自分の脊髄にある細胞を培養し、それを点滴するだけで治った例もある。こういった事例が多く出てくると思う。

No.085

私が一番重要だと思うこと:

脊損者(注:脊髄損傷者)が立って歩けるようになりますように。

理由:自分の中ではとうてい実現しない話もしくは、したとしても臓器移植の時のようにまた新たな問題が生まれてくるようなものと思っていて、あまり期待していない面が多かったが、この技術を待ち望んでおられる方がいらっしゃるということを改めて考えさせられる一言でした。この技術を確立させるため、研究者はがんばらなければならないですが、私たち医療従事者もこの技術が確立できるまで、今ある治療やケアを最善のものへと導く努力をおこたってはならないと思いました。

No.086

私が一番重要だと思うこと:

治療する対象は老化も入るのか。再生医療で治すものは何なのかを考えていってほしい。

理由:再生医療という言葉は歯科や皮膚科の広告で日常的に見られるようになった。脊損(注:脊髄損傷)、脳損傷などの疾患に再生医療を用いることと個人のneedsに応じるために再生医療技術を用いることは意味がちがうのにといつも思う。

No.087

私が一番重要だと思うこと:

再生医療で日本をリードするために期待は大きい。

理由:最近、日本が学問の分野で活躍できる分野は少ない。再生医療は今、日本がリードしている学問であるに違いない。倫理的不安、社会的不安、学問的不安の反面、期待が大きい(生き生きした生活がおくれる、新たな健康ビジネス)があることを忘れてはならない。

No.092

私が一番重要だと思うこと:

新しい再生医療の開発によっていいことも悪いこともある。

理由:少子化と言われているが自然では難しい人もいて再生医療によって不妊を改善できるのはいいが、なんでもなおせるようになると高齢化問題につながるので微妙・・・

No.094

私が一番重要だと思うこと:

将来への再生医療、創薬に道が開ける。

理由:iPS細胞は人間の細胞がどんなに柔軟なものかを示しています。だからこそ人間にまで進化してきたのではないでしょうか。その力を信じて、多くの人の病がなおることは期待できるし、嬉しいことです。 ただ男性の細胞から卵が、女性の細胞から精子ができるかもといった事や、人間とは、を考えなおし、倫理規定が必要となると思います。 世界的な組織での研究を望みます。日本は特に新しいこと(研究・成果)には、なかなか予算も承認も遅いと聞きます。その点も前向きになる必要があるでしょう。

No.099

私が一番重要だと思うこと:

再生利用の適用範囲 ・延命に使うべきではない。 ・高齢化を促進する結果をもたらしてはいけない。

理由:高齢化にともない様々な問題が発生している。 ・医療費、年金 ・労働人口 ・税金 ...... これらをより促進してはいけないから。

No.104

私が一番重要だと思うこと:

病気が治ることは幸福なのか?

理由:病気の種類や治療法にもよるが、治ってからの生活とのかかわりが大切かと。もちろん、肯定的に考えて、対処療法しかない疾病で苦しんでいる方へのよりよい医療が進むべきと思っています。

No.106

私が一番重要だと思うこと:

難病治癒・完治。

理由:世界で難病に苦しんでいる人がたくさんいて治療もままならない人が多くいる。そういった人達が少しでも助かるようになっていってほしい。

No.109

私が一番重要だと思うこと:

人間以外の生物の再生。

理由:人間社会を支える生態系の再生が可能か?その事で「持続社会の創造」に貢献できるか?

No.117

私が一番重要だと思うこと:

男女負担の平等。

理由:男女共に同じ生殖器を持つ。

No.124

私が一番重要だと思うこと:

臓器の一部が機能不全のケースで健康な臓器をとりもどすことができるのか。

理由: ・完全に機能不全になる前に予防的に対策が打てるから。 ・薬を飲まなくてすむようになるとよいから。

No.126

私が一番重要だと思うこと:

病気を事前に防ぐ事。予防が大切であると感じた。

理由:iPS細胞やES細胞の発見によって、再生医療の可能性がどんどん広がってきたが、これによって病気になることがあたり前になってしまうように感じる。たしかに、なりたくなくてもなってしまうことは有ると思うが、なることを前提するのではなくて、ならない、ならせないことを前提に考えてほしい。医療の最終地点は予防であるということを念頭においてもらいたい。お金を獲得することを目的にするのではなくて、人間の未来に向かってしっかり考えてもらいたい。

No.130

私が一番重要だと思うこと:

延命の為の開発ではなく治療の為の開発を。

理由:人間の寿命は神が決める。病気治療は自分の意志で決める。この為に開発して欲しい。

No.135

私が一番重要だと思うこと:

脊髄の再生が危険なく出来る事。

理由:現実に脊損者(注:脊髄損傷者)のリハビリ、ケアを行っている者にとっては切実である。在宅パワーリハ(注:マシントレーニングを中心とした運動プログラムにより、身体的・心理的活動性を回復させることを目指す、リハビリテーションの手法の一つ)で回復しているが今以上に希望を現実にしたい。

No.140

私が一番重要だと思うこと:

人が死なない。

理由:私には今現時点で親しい人に難病の人がいないから言えていることなのかもとは思いますが、人は必ず社会の中で生きていて、皆が税金や保険で助け合いながら生きているわけで、そのことを忘れて生きていてはいけないと思っています。生活保護にならないように、大病もしないように努力して、それでもなってしまう人たちをみんなで支えていく事が理想だと思います。その中、一個人だけをみれば元気で長生きしたいとだれもが思うし、家族や友人にも障害、大病をかかえている人がいたらそれをなくせる技術が欲しいとは思うけれど、そのことで本来死ぬべき人が死なない=人口が増える(非生産人口の増加による国民の負担など)また、死や自分の身体の倫理観の変化により、結果的に再生医療の必要性が増え国民の負担になるetcの社会的問題をみんなで考えていかなきゃならないと思います。

No.141

私が一番重要だと思うこと:

心臓そのものを作らなくても、一部分だけでもたいへんうれしい。

理由:再生医療というと、臓器を単位としたイメージがありますが、まるまるひとつの臓器でなくても、一部の組織を移植して、わずかでも機能が回復するのであれば、脳卒中や急性心筋梗塞などで困っている人は多いと思うので期待しています。(母が脳梗塞で左上下肢に麻痺が残っています)。

No.148

私が一番重要だと思うこと:

移植を補い、救える生命を守り、増やす有望テーマ。

理由:移植ができないので、生命の存続が危機状態にある方々の救済措置として確立を急がねばならない。

No.154

私が一番重要だと思うこと:

世界中のどんな人でも受けられるようなものであって欲しい。(良い意味の方で)

理由: *今まで渡米しても手術うけなあかん。ていう人を何人も見てきて、わざわざ高額を出して、アメリカに行かんでも日本で手術うけて治せたらなって思うから。 *世界中に病気で苦しい思いをしている人が多いし、治せるものであったらこういう医術で治せてあげれたらなって思うから。 *悪いことに使われると世界的問題につながってしまうかもしれんから。人の病気を治すということだけにつかって欲しい。

No.160

私が一番重要だと思うこと:

不老長寿社会はどんな社会か。

理由:現在の医療技術の進歩でさえ長寿社会となり不自由ではあるが、独居で生活できる老人が増えている。再生医療というものが、いわゆる障害認定を受けたり、難病と言われる人々のみを対象にするのではなく、あらゆる医療を対象とするなら老人層の増加、逆ピラミッドはますます加速する。医療の進歩のみならず、介護・子育て支援にも力を入れ、バランスをとっていかないといけない。長生きはするが独居、孤独になってしまう。

No.175

私が一番重要だと思うこと:

犯罪者(先天的なもの)の犯罪傾向をなくすことができるのでは?

理由:過去に行われていたロボトミー手術(注:主に難治性の精神疾患患者を対象に行なわれた前頭葉を切除する手術。現在は禁止されている)の倫理的問題、副作用をクリアした手法が確立されると良いと思う(もちろん本人の同意のもと)ex 悩んでいる性犯罪者なんかはいると思う。