Q3

■再生医療と私たちの価値観(身体や生命、病、健康についての)との関わり

社会的合意作りには、誰が主体的に当事者意識をもって取り組むべきだと思うか?

【アジェンダ】

再生医療が適切に発展し利用されるための原則やルールを定めたり、発展・利用にともなって生じる問題点を解決したりするためには、立場の違いを考慮しつつ、社会的な合意を作っていく必要があります。そのような合意作りには、誰が主体的に当事者意識をもって取り組むべきだと思いますか。国内で合意を作る場合を想定してお答えください。

【複数選択可】

  1. 再生医療に関連する研究者や専門家。
  2. 行政機関や行政主導の有識者会議。
  3. 政治家(議会)。
  4. 市民(非専門家)。
  5. 上記 1. 〜 4. が一同に集まり議論できる場や仕組みを設け、ともに取り組む。
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No.009

私が一番重要だと思うこと:

技術の実用可能性だけでなく、実用された場合に社会全体に対してどのような変化がもたらされるのかを十分に検討し、選択のできる政策が提示されるべきである。

理由:一人一人の市民が社会のなかのどのような選択に関与できるのかが不明確である。

No.010

私が一番重要だと思うこと:

再生医療を提供する側と受ける側の情報共有、対話を大事に。

理由:研究者は知識であたまでっかちに、一方、市民は知識が不足していて適切な判断ができないことが現状だと思います。研究者は誰が聞いてもわかるような言葉で市民に研究の内容を説明する義務があると思います。なぜなら、研究費に多くの税金を使っているから。世間全体で、バランスのとれた議論のもと、これからの社会を支えるであろう再生医療を促進させてほしい。

No.011

私が一番重要だと思うこと:

再生医療が実用化されることで生じるであろう新たな問題(特に倫理的なもの)についての情報発信。

理由:新しい技術はポジティブな面が強調されて情報が伝えられることが、よくあるように思います。そうではなくてネガティブな面についてもきちんと情報を伝えることで、"どこまでやってもいいか"などの基準を社会全体で議論していく必要を感じます。

No.015

私が一番重要だと思うこと:

再生医療に対する倫理的是非がどこまで議論されているか。

理由:再生医療に関する報道は、どちらかと言えばポジティヴに語られている。技術の進歩と将来への期待は良くわかるけれども、研究者、製薬会社、国家間の競争というなかで、生命の尊厳や倫理的問題に対する議論が充分なされているのかどうか。再生医療をめぐる経済・社会・医療・人間の存在等マクロな視点を考える議論が市民に届いてこないとしたら、安易に研究を是として進める研究者が市民の声を検討することはあるのだろうか。

No.034

私が一番重要だと思うこと:

人体のパーツを作れるので、放射線をヨウ素材で甲状腺に集めておいて、それを交換することができる。再生医療で放射線のリスクを軽減できる。

理由:世間の人がきちんと考えるべき問題であるのに、一部の人や専門家だけの議論で話が進んでしまっている事が、再生医療や原子力の問題だと思うので、この2つが結びついたのが、とても興味深かった。 (注:原子力施設で異常事態が発生した場合、周辺環境に異常に放出され広域に影響を与える可能性の高い放射性物質としては、主に...揮発性の放射性ヨウ素があります。このうち、放射性ヨウ素については、吸入又は汚染された飲食物の摂取を介して身体にとり込まれると、甲状腺に選択的に集積し、放射線による晩発的影響障害を発生させる可能性があります。原子力安全委員会 http://www.nsc.go.jp/toi/010101-010331.htm

No.038

私が一番重要だと思うこと:

再生医療導入のルールをどうやって決めるのか、という問題。

理由:不確実なことがたくさんあるのでルールを予め決められないし、決めても想定外の紛争が生じるだろうし、それを法廷にもってこられても困る。

No.042

私が一番重要だと思うこと:

ES、iPS研究が欧米なみに出来ると良い。

理由:「欧米先進国なみに」というレベル設定にはこだわらないが、日本の制度や、日本人の気質、社会性などが、研究を阻んでいる、という現実を具体的に教えてもらった。 日本人の考え方(あいまいさを良しとする、性善説、など)を入れこんだ、日本らしい制度を、日本人の手でつくることが大事だと思う。欧米のまねごとばかりでは必ず矛盾が出てくると思う。言いにくいこと(言ってはいけないと思ってるようなこと)も、きちんと出し合って、話し合っていく場が必要だと思う。

No.052

私が一番重要だと思うこと:

各個人の健康への「ミクロ」な配慮が必要である。

理由:マクロな視点とくに、先端医療技術の推進の立場に立ったとき、これを忘れがちだが、研究者・技術者・政策立案者等を含めて自分の体へのケアという原点に立たないとバランスある方向性は出てこない。

No.055

私が一番重要だと思うこと:

身体観・死生観がどのように変わるかということを、科学者は人文科学系の研究者や市民の人たちと一緒にもっと考えてほしい。科学研究と経済的利益とで突っ走りそう。

理由:日頃、生命科学系研究者達の中にいて、彼らは新しいことをどんどん進めて研究していく。人文系の歴史を振り返るとか反省するのとはとても違う。両者がもっとお互いのことを理解して、経済や政策も含めて、総合的に考えられるようになると、推進と抑制のバランスが取れて、うまくいくのではないかと思う。科学技術への市民参加には、人文社会系の力がもっと必要。人文社会系が市民の人たちにもっと理解されることも必要。

No.059

私が一番重要だと思うこと:

文化の広がりが狭まる。

理由:臓器を再生する際の臓器はなにを基準にして再生するのでしょうか。なにを健常とするか。それを誰が決めるのか。研究者はより良い技術を追求するだけでよいのか。身体にみえる障ガイはどのように考えるか、そこからうまれる様々なものの捉え方などの広がりは再生医療を考える中で必要と感じました。

No.062

私が一番重要だと思うこと:

人間が万能であると誤信し、生命を操作できるように思ってしまう。

理由:新しい科学技術を社会に導入するにあたり、まず、議論すべき問題はどこまでが人間が操作することが許される領域かということだと思います。これを議論し、社会的な合意を得た上で、当該技術に対する規制手段(学会ルールにゆだねるか、法的規制をどの程度行うか)を模索すべきだと思います。

No.068

私が一番重要だと思うこと:

皆で議論をしながら再生医療を進めてほしい。

理由:良い面、悪い面、両方あるので、それを受容できる必要があると思うから。

No.091

私が一番重要だと思うこと:

「市民の了解が必要である」という意見。

理由:再生医療にしても、そのほかの問題にしても、わたしたちの生活や利益に関わる問題が、わたしたちとは離れた場所でいつのまにか決められていくのには、問題があると感じています。市民へ必要な情報を提供し、市民が議論し、市民が意見を述べて、それが政策に反映されるような仕組みを、再生医療についてもつくっていく必要があると思います。

No.114

私が一番重要だと思うこと:

研究体制や市民への説明の国レベルでの支援が重要。

理由: ・国がリードして研究体制や安全性の整備を進めないと国益を損ねる。 ・優秀な研究者が育成されない。 ・欧米諸国と対等に戦うためには、国からの支援なしではやっていけない。

No.122

私が一番重要だと思うこと:

医療に実際に安全に使用できると基礎研究で確認された後のトランスレーションプロセスで私企業に移管するのが果たして最適なのかどうか?社会での議論が非常に重要と思います。

理由:この種の高度な生命倫理的な議論が必要な生産物と市場への提供に関して、私的な利益追求が基本コンセプトの私企業に移すことに疑問を抱いています。

No.127

私が一番重要だと思うこと:

国と現場研究者の相互理解が最も重要。

理由:どこか1つの環境が熱心に政策を進めても意味は出てこない。研究者の努力に応える国家政策、国民の理解、そして国家政策を有効に利用できる研究体制、研究者のモチベーション、市民サポート、さらには、市民の求める医療の実現を国・研究者が一体となって目指す。近い将来、技術が1つでも実ることを願う。

No.128

私が一番重要だと思うこと:

一般市民の再生医療に対する知識の正確性。

理由:現在実際にiPS細胞を扱っているが、新聞やテレビでiPS細胞を取り扱った記事はあたかもすぐにそれが使えるかのように報じられている。再生医療に関心が向けられるのは良いことであるが、ほんの一部分だけ取り上げるのではなく、正確に時間や紙面を使って報じて欲しい。政治家の先生もメディアに出る際に科学技術に関する論議をして頂きたい。

No.139

私が一番重要だと思うこと:

倫理上の問題は?

理由:ケアマネの業務をしており、本人と家族の意見、価値観の違いや、医療職との意識の違いを実感している。立場や価値観・倫理観が違えば選択や意思決定は違ったものになる。医療技術の発達向上を希望するが、それが一方的な考えや、物の見方だけで、一方向に向かうのはこわい事だと思う。多角的に向上していって頂ける事を希望する。

No.140

私が一番重要だと思うこと:

人が死なない。

理由:私には今現時点で親しい人に難病の人がいないから言えていることなのかもとは思いますが、人は必ず社会の中で生きていて、皆が税金や保険で助け合いながら生きているわけで、そのことを忘れて生きていてはいけないと思っています。生活保護にならないように、大病もしないように努力して、それでもなってしまう人たちをみんなで支えていく事が理想だと思います。その中、一個人だけをみれば元気で長生きしたいとだれもが思うし、家族や友人にも障害、大病をかかえている人がいたらそれをなくせる技術が欲しいとは思うけれど、そのことで本来死ぬべき人が死なない=人口が増える(非生産人口の増加による国民の負担など)また、死や自分の身体の倫理観の変化により、結果的に再生医療の必要性が増え国民の負担になるetcの社会的問題をみんなで考えていかなきゃならないと思います。

No.144

私が一番重要だと思うこと:

いつ、どのようにどの方向に再生医療が発展すべきかは、「研究者」「社会」様々な面から具体的に提示する必要がある。(考えるだけでなく)

理由:普段世の中がどうなった方が良いと考えることがあっても、声に出して提示しなければ、discussionもできないし、いつまでも具体性に欠けると思ったため。

No.159

私が一番重要だと思うこと:

国の支援。

理由:現在の日本では、再生医療に関する民意・国策・国際的競争力の面で不十分であるから。

No.162

私が一番重要だと思うこと:

再生医療の実現に、方向性に具体性が欲しい。

理由:再生医療は「医療」であって、基礎研究の成果だけで実現するものではない。その実現は、むろん細胞に関する十分な知識は必要であるが、それ以外にも、標準的な医療とするための様々な技術が必要であるし、経済、社会、哲学的問題についても万民で考えていく必要があろう。

No.165

私が一番重要だと思うこと:

技術開発に伴う負の影響を考慮なしに世界をリードすることはできない。

理由:社会に対する影響を考えることは、その技術が世間で受け入れられることにつながっていくと思うから。技術に対して妥当な意見を持つ事ができる人達はその技術を開発していない側の人達である。

No.167

私が一番重要だと思うこと:

社会の合意をどうしてとりつけるか。

理由:沢山のいろいろな意見があるので、合意をとりつけるのは至難のことと思う。まとまらないと世界から遅れることになる。