シンポジウムは、中島秀人領域アドバイザーによる開会挨拶、ならびに当プロジェクト研究代表者の平川秀幸による趣旨説明ののち、3部構成で行われました。
第1部「インタフェイス組織」では、組織が熟議と協働を機能させるための具体的な活動例として、参加型テクノロジーアセスメントとコミュニティベースドリサーチ(CBR)について報告がなされました。初めに、国内の他機関での活動例として、三上直之氏(北海道大学)より「北海道大学における参加型テクノロジーアセスメント活動」と題し、熟議の実践例を、菅波完氏(認定NPO法人高木仁三郎市民科学基金)より「高木基金の取り組み:市民ファンドだからできる『市民科学』の支援」と題し、CBRの実践例をご紹介いただきました。その後、当プロジェクトメンバーから「DeCoCiS活動報告」と題し、山内保典(大阪大学)より「市民参加型テクノロジー・アセスメント」、春日匠(大阪大学)より「サイエンスショップ・CBR」、加藤和人(京都大学)より「科学者参加型の熟議?調査と実践に向けた提案」というタイトルにて、当プロジェクトの実践と研究の成果が報告されました。
第2部「DeCoCiSネットワーク」では、平川研究代表より「DeCoCiSネットワーク概要」と題し、持続的な市民と専門家の熟議と協働の実現を目指し、市民と専門家をつなぐ活動を行う数々の組織を連携する「DeCoCiSネットワーク」について、その設立目的と概要について説明が行われました。続いて伊藤真之氏(神戸大学)より、「DeCoCiSネットワーク参加組織の立場から」というタイトルにて、DeCoCiSネットワークへの期待と検討課題が提起されました。
第3部「パネルディスカッション:社会と科学をつなぐネットワークの強化に向けて」においては、パネリストの菅波氏、三上氏、伊藤氏、平川研究代表、ならびにコメンテータの城山英明氏(東京大学)を中心に、会場の参加者も交えて活発な議論が展開されました。
まず、「DeCoCiSネットワークに何をやってほしいか」という問いに対して、「研究・実践の交流の強化」「人材育成」という答えが挙がりました。続いて「熟議とは何か」という問いが出され、「市民が参加することでオルタナティブな視点が出てくることにこそ熟議の意義がある。」「たとえ結論が同じでも、プロセス自体に意味がある。」「熟議を経て世論とは異なる輿論が形成されることに意義がある。」「研究者によって熟議に対する態度は多様である。」「熟議の意義は当該技術に関わる人々の思いを一覧化・可視化し、お互いの話を相互理解すること。また、意思決定ではなく、意思決定支援にとどまるべき。ローカルのみならず、ナショナルで熟議は求められている。従来の方法(ガバナンス)の問題は、アセスメントで制御するという機能と、意思決定の機能がごっちゃにされていること。両者をきっちり分けることが重要。」といった意見が挙がりました。
それ以外に、「専門家以外の視点を学ぶには修士課程は良い時期だとは思うが、専門性が十分に身についていない現状で学ぶのは難しく、さらに評価の対象にもならない。こういった状況で研究との両立は困難だが、どうすればいいのか。」という問いかけに対しては「現場の人と接するのは非常に大事。迷っているなら歩いた方がいいのでは。」という意見が、「熟議に参加する市民のレベルが、関心の高さのみならず、リテラシーの面でも高く設定されてしまっているのでは。」という問いかけに対しては「熟議キャラバンは敷居を下げるための工夫がされていて、ネットワークもそれを目指している。」という意見が出されました。 (執筆:小菅雅行、中川智絵)
「でこなび」には、国内外で開発された参加型手法と、日本国内の事例を中心に市民参加型手法の実践事例があつまっています。「でこなび」は気になる手法や事例との出会いの場。皆さんをより詳細な情報へとナビゲートします。是非、ご活用下さい!
]]>大歓迎!受付中です! 皆さまお誘いあわせの上、奮ってご参加下さい。
]]>シンポジウム
「社会の中に活きる科学技術と大学 -市民と専門家をつなぐ活動の意義と課題-」
~市民と専門家の熟議と協働のためのネットワーク(DeCoCiS.net)設立に向けて~
チラシはこちら(PDF:1.7MB)
■日時:11月19日(土) 10:00-17:30(開場 09:30)
■場所:中之島センター 10階佐治敬三メモリアルホール
http://www.onc.osaka-u.ac.jp/others/map/index.php
■主催:市民と専門家の熟議と協働のための手法とインタフェイス組織の開発(DeCoCiS)プロジェクト
■参加費: 無料 定員200人(要事前申し込み)
■参加申込方法
参加を希望される方は、「所属、氏名、連絡先(メールアドレス)」をご記入の上、【office[at]decocis.net ([at]を@に変えてください)】宛にお申し込みをお願いします。
受信確認のメールをお送りします。
■プログラム
10:00 「開会挨拶」 中島秀人(東京工業大学)
10:10 「シンポジウム開催趣旨説明」 平川秀幸(大阪大学)
10:30-12:40
【第1部:インタフェイス組織】
三上直之(北海道大学)
「北海道大学における参加型テクノロジーアセスメント活動」
菅波完(認定NPO法人高木仁三郎市民科学基金)
「高木基金の取り組み:市民ファンドだからできる『市民科学』の支援」
山内保典(大阪大学)・春日匠(大阪大学)・加藤和人(京都大学)
「DeCoCiS活動報告」
14:00-15:20
【第2部:DeCoCiSネットワーク】
平川秀幸(大阪大学)
「DeCoCiSネットワーク概要」
伊藤真之(神戸大学)
「DeCoCiSネットワーク参加組織の立場から」
15:50-17:30
【第3部:パネルディスカッション】 -社会と科学をつなぐネットワークの強化に向けて-
・パネリスト:菅波、三上、伊藤、平川
・コメンテータ:城山英明(東京大学)
・司会:加藤和人(京都大学)
■問い合わせ先
DeCoCiSプロジェクト
大阪大学 コミュニケーションデザイン・センター(CSCD)内
〒560-0043
大阪府豊中市待兼山町1-16 大学教育実践センター 教育研究棟1
大阪大学 コミュニケーションデザイン・センター
メール: office[at]decocis.net([at]を@に変えて送信してください)
発表会は終了してしまいましたが、入手に関しては、下記にお問い合わせ下さい。
特定非営利活動法人 キッズデザイン協議会 事務局
URL:http://www.kidsdesign.jp
再生医療アジェンダ.pdf (PDF:496 KB)
調査票注.pdf (PDF:269 KB)
* 日時:2010年10月20日(水) 11:00-15:00
* 会場:大阪大学教育実践センター 共通教育管理講義棟6階 大会議室 [地図]
* 主催:東京大学公共政策大学院科学技術と公共政策研究ユニットI2TAプロジェクト、大阪大学コミュニケーションデザイン・センター(CSCD)でこしす(DeCocis)プロジェクト、京都大学人文科学研究所ゲノムELSIユニット、科研費基A「持続性確保のガバナンスと政策プロセスマネジメント」(代表:城山英明)
* プログラム
午前の部:11:00-13:00(各発表・報告20分、質疑応答10分)
◆ 食品・医療分野における実践
* 「食品分野におけるTAの歴史的経緯とその展開」:松尾真紀子(東京大学政策ビジョン研究センター・大阪大学CSCD)
* 「医療分野におけるTA」:畑中綾子(東京大学公共政策大学院)
* 「阪大DeCocisプロジェクト」:平川秀幸(大阪大学CSCD)
* 「ゲノム研究における研究ガバナンスの構築」:白井哲哉(京都大学人文科学研究所)
(休憩:13:00-13:30)
午後の部:13:30-15:00
◆ 社会のための技術を考える
* 「新しい世代のTAに向けて、これからの課題」:吉澤剛(東京大学公共政策大学院)
]]>ご参加頂いた皆さま、ありがとうございました。
]]> 2日間、ほとんど議論ばかりの日程でしたが、参加者の皆さまに助けられ、何とか終了することができました。まず、論点抽出ワークショップにご参加頂いた180名の意見をカードにして、それを班ごとに分類し、全体会議で6つのテーマを決定しました。
その後、各班で議論を行い、カードに基いて重要な論点を探し出し、設問にしていきます。ここが初日の山場でした。
(班での議論の様子)
最後に、全体で各設問について検討していきました。
設問の最終決定については、参加者から実行委員会への宿題も出され、現在調整中です。結果の詳細は後日お知らせします!
]]>参加者のみなさまの大半は再生医療あるいはその周辺領域の研究をされている方々であったため、専門家カフェにやや近い形になりました。再生医療研究の現状について活発な議論が展開し、大胆な提言がなされました。
]]>ご参加頂いた皆さま、ありがとうございました。
]]> 神戸大学サイエンスカフェの常連さんが多くいらっしゃいました。皆さん議論になれており、活発な議論を楽しんで頂けたようです。阪大の時と同じく、再生医療と社会との関係について、研究現場で日々感じていることを率直に意見出ししてくれる人が多かったです。
阪大の時と違い、あまり労働環境の改善等に関する意見は出てきませんでした。
これは、京大の方が再生医療に関する研究環境が整っている証なのでしょうか。
いずれにしましても、全般的には貴重なデータを集めることができたと思います。