Q22

■社会とのコミュニケーションに関する問題

市民にとって正確で分かりやすい情報が十分に伝わるために、最も強化すべきと考えられる活動は何か?

【アジェンダ】

科学技術に対しては、小さなすれ違いから、過剰な期待や信頼の喪失が起きてしまうことがよくあります。たとえば「再生医療が発展すれば、移植臓器の不足が改善する」と言われています。これを聞くと、多くの人々は、再生医療によって、研究室で目的の臓器が作れるようになることを想像してしまいます。しかし、実際に目的の臓器のみを作ることは非常に難しいことです。上記の言葉の意味には、幹細胞を用いた研究により、病気の原因の解明や、治療効率の良い薬剤の開発などが進み、移植という手段を取らない、新しい治療法の開発ということが含まれています。これは、少し言葉が足りなかったために、専門家が意図しないことが伝わった一例です。再生医療にとっても、そのような弊害を避けるための適切な情報共有が重要な課題だと言えます。
市民にとって正確で分かりやすい情報が十分に伝わるために最も強化すべきと考えられる活動を一つ選んでください。

【ひとつ選択】

  1. マスコミによる啓蒙活動とアンケート調査。
  2. 科学ジャーナリストの育成。
  3. 再生医療を市民にわかりやすく説明し、医療従事者にフィードバックできる専門家による活動。
  4. 研究機関、医療機関による積極的な説明。
  5. 市民活動の場での市民と医療従事者との対話。
  6. そのような活動は必要ない。
«Q21
Bookmark and Share
No.010

私が一番重要だと思うこと:

再生医療を提供する側と受ける側の情報共有、対話を大事に。

理由:研究者は知識であたまでっかちに、一方、市民は知識が不足していて適切な判断ができないことが現状だと思います。研究者は誰が聞いてもわかるような言葉で市民に研究の内容を説明する義務があると思います。なぜなら、研究費に多くの税金を使っているから。世間全体で、バランスのとれた議論のもと、これからの社会を支えるであろう再生医療を促進させてほしい。

No.011

私が一番重要だと思うこと:

再生医療が実用化されることで生じるであろう新たな問題(特に倫理的なもの)についての情報発信。

理由:新しい技術はポジティブな面が強調されて情報が伝えられることが、よくあるように思います。そうではなくてネガティブな面についてもきちんと情報を伝えることで、"どこまでやってもいいか"などの基準を社会全体で議論していく必要を感じます。

No.015

私が一番重要だと思うこと:

再生医療に対する倫理的是非がどこまで議論されているか。

理由:再生医療に関する報道は、どちらかと言えばポジティヴに語られている。技術の進歩と将来への期待は良くわかるけれども、研究者、製薬会社、国家間の競争というなかで、生命の尊厳や倫理的問題に対する議論が充分なされているのかどうか。再生医療をめぐる経済・社会・医療・人間の存在等マクロな視点を考える議論が市民に届いてこないとしたら、安易に研究を是として進める研究者が市民の声を検討することはあるのだろうか。

No.020

私が一番重要だと思うこと:

延命による人口増加。再生医療を受けたことによる新たな疾病の発生。病気治療以前の問題としての予防医療にも注目してほしい。

理由:実際問題としてES細胞やiPS細胞でどこまでのことが出来るようになっているのか?物理的に身体に欠損があって、その目的の部位の再生が可能なのか?遺伝的な疾患の場合、iPS細胞で遺伝情報まで再生する事が可能なのか?

No.032

私が一番重要だと思うこと:

"研究"というものがどのように、具体的に、どの程度、"再生医療"に通ずるのかという事を深める必要性があるという事

理由:「たくさんの研究発表・成果と、わずかな社会貢献の実現」をどう捉えるのかという為にも、本会の様な議論の場が重要と思われる。 医療=研究という側面のみで言うなれば、多くの研究発表で多くの患者が期待をし、落胆するという悪サイクルを減らす為のよい機会でした。

No.036

私が一番重要だと思うこと:

再生医療が一般の人々に正しく受け入れられ、1つのビジネスモデルとして確立されるために、再生医療を方向付ける必要があるということに非常に大事だと気づかされました。

理由:再生医療にたずさわる研究者として、日々考えている意見や考えがフィードバックされることがないので、今回のカフェのような再生医療について考える機会があり、再生医療について方向づけられることが大事だと思いました。

No.039

私が一番重要だと思うこと:

まだ臨床での応用までに時間のかかる研究に過度の期待がかかるのが不安。

理由:上記文面につきます。

No.053

私が一番重要だと思うこと:

日本が世界をリードする。

理由:日本が世界をリードするという発想は今まで考えたことがありませんでした。日本がリードするためには、患者のためであるという目的を研究者がそれぞれ思わないといけません。だから、もっと情報を公開していって、より多くの人に希望をもたせてください。研究者が研究する目的が、自分の業績のためではいけないと思います。

No.054

私が一番重要だと思うこと:

皮膚病に障害が集中。

理由:皮膚細胞はあらゆる細胞の幹細胞になりえるか。

No.060

私が一番重要だと思うこと:

臓器移植が不必要になった時、これまでの「脳死」、及び、「死」そのものに関する概念はどう考えるべきか。

理由:ついこの間、子どもの脳死をどう取り扱うのかが議論されていましたが、"再生医療"となるとその議論そのものがふりだしに戻ったということになると思います。そういうことから、今まさに「再生医療」「臓器移植」のあり方について考え直す機会だと思いました。 あと...私の友人に筋ジストロフィーを患っている子がいます。確実に残り少なくなっている命を、家族、周囲の人々が必死で支えています。再生医療について様々な不安要素が大きくクローズアップされていますが、もう少しメリットについてもアピールしていくべきではないでしょうか。

No.065

私が一番重要だと思うこと:

iPS細胞で医療の再生医療に出して、医療に関してすごく未知な物でも再生できるのか?

理由:この内容で本当に再生するのなら、この世界に生きていて不便な事や、物にならない物が治せることなら素晴らしいと思ったからです。私は将来医療系の仕事をしたいのですが、もし、将来(未来)iPS細胞で病気が治せるすばらしい社会を夢見たからです。

No.067

私が一番重要だと思うこと:

研究者や基礎研究の重要性を認識して欲しい。

理由:研究とは、一般の人々が思っているほど楽なものでもなく、頭だけでなく体力も使わなければやっていけない。そして、そのストレスに耐えきれず体を壊す人や心を病む人を多く見ているので、研究者に対する理解を深めてほしい。 また、基礎研究の中には応用にはまったく役立たないように思えるものが多くあるが、その中にこそ将来多くの人々に恩恵をもたらしうる物があることを知ってほしい。

No.074

私が一番重要だと思うこと:

昨今、iPS細胞に関わる報道が多いが、世の中の人々のどれだけがこの技術革新を正しく理解しているのだろうか?一般市民の再生医療への理解がいまだ乏しく、技術開発ばかり先行していることに大きな懸念がある。開発のスピードに併せ、一般市民への理解を深めることがもっとも重要であると認識した。

理由:再生医療の当事者のうちでもっとも重要なのは一般市民である。なぜなら、サンプル提供者/被験者になりうるし、又、その際に何の知識もなく当事者になることのリスクは避けられなければならない。インフォームドコンセントを充実すべきである。

No.080

私が一番重要だと思うこと:

今日はみなさん再生医療に対してかなり期待があり、またiPS細胞で長生きすることができる日が来るという前提で話しをされているのに少し驚きました。

理由:私はiPS細胞による治療が社会に広まるまで技術的にまだまだ長い時間がかかるであろうと思っているからです。

No.083

私が一番重要だと思うこと:

生命の大切さが軽く見られる。

理由:最近の子どもはゲーム脳になりがちで、命のリセットや増産ができると思っている。元々ある体そのものの大切さを知った上で再生医療の知識を与えないといけない。体は再生できるけど、心の再生はできない。お金で命を買えるようになる(軽視につながる。)...その考えの是非。メリットばかりではなくて、デメリットも知っていく大切さ。

No.088

私が一番重要だと思うこと:

再生医療の言葉だけが、先行しているのではないか。

理由:iPS/ES細胞の研究内容と素人分かりする共通の認識が不足しているのかも知れない。

No.091

私が一番重要だと思うこと:

「市民の了解が必要である」という意見。

理由:再生医療にしても、そのほかの問題にしても、わたしたちの生活や利益に関わる問題が、わたしたちとは離れた場所でいつのまにか決められていくのには、問題があると感じています。市民へ必要な情報を提供し、市民が議論し、市民が意見を述べて、それが政策に反映されるような仕組みを、再生医療についてもつくっていく必要があると思います。

No.113

私が一番重要だと思うこと:

再生医療という言葉の裏には、様々な問題が含まれているということ。私が一番重要だと思うことは、実学と基礎科学の違いについて社会に認識されるのが重要。

理由:研究というのは特別な設備が必要なので、外部から見えにくいというイメージがある。もっと社会に対して開かれたものであったら、より良い技術の開発が望めるかもしれないと思っています。知るという事は後になって自分に対して得になるという意義をはらんでいると思う。実験して自分の内にこもっているだけではいけないと思う。

No.114

私が一番重要だと思うこと:

研究体制や市民への説明の国レベルでの支援が重要。

理由: ・国がリードして研究体制や安全性の整備を進めないと国益を損ねる。 ・優秀な研究者が育成されない。 ・欧米諸国と対等に戦うためには、国からの支援なしではやっていけない。

No.127

私が一番重要だと思うこと:

国と現場研究者の相互理解が最も重要。

理由:どこか1つの環境が熱心に政策を進めても意味は出てこない。研究者の努力に応える国家政策、国民の理解、そして国家政策を有効に利用できる研究体制、研究者のモチベーション、市民サポート、さらには、市民の求める医療の実現を国・研究者が一体となって目指す。近い将来、技術が1つでも実ることを願う。

No.128

私が一番重要だと思うこと:

一般市民の再生医療に対する知識の正確性。

理由:現在実際にiPS細胞を扱っているが、新聞やテレビでiPS細胞を取り扱った記事はあたかもすぐにそれが使えるかのように報じられている。再生医療に関心が向けられるのは良いことであるが、ほんの一部分だけ取り上げるのではなく、正確に時間や紙面を使って報じて欲しい。政治家の先生もメディアに出る際に科学技術に関する論議をして頂きたい。

No.138

私が一番重要だと思うこと:

再生医療を提供する側と受ける側との情報共有・対話が重要。

理由:医療を提供する側が受ける側に直接情報を提供する機会は非常に少ない。両者の間にはマスコミや情報機関が入ってしまい情報が湾曲する。一度の死亡事故を大きく取り上げるのではなく、また、再生医療は何でも出来るようにとらえられるような大げさな表現はひかえるべき。そういった誤情報と誤理解により、研究費や人件費が上下するのはたまったもんじゃない。

No.143

私が一番重要だと思うこと:

一般の方への再生医療の理解と意見交換。

理由:実際に再生医療に関わりの薄い人と、会話をした時に表面的な事象のみで恐がったり過度に期待されることがよくあったので。

No.173

私が一番重要だと思うこと:

再生医療の正確な報道が果たしてなされているのか改めて関心を持ちました。

理由:マスコミにおいて過度な期待を抱かせる報道がなされすぎている印象は確かにあります。報道が科学的になされる為には我々研究現場からの発信も大切だとは思いますが、内包する問題があまりに多くまだ、整理できておりません。