Q2

■再生医療と私たちの価値観(身体や生命、病、健康についての)との関わり

再生医療の適切な発展・利用のための共通の原則・ルールは、どの程度の社会的規模で作るべきか?

【アジェンダ】

再生医療の発展や利用が適切に行われるようにするためには、研究の仕方や成果の利用の仕方について、何らかの共通の原則やルールを作る必要があると考えられます。しかしその一方で、「病気に苦しむ人々を救う」という点では一致しても、具体的にどうやって救うかは、個人や国、文化それぞれの身体や生命、健康、医療に関する考え方や価値観、倫理観、宗教観によって、異なることもあります。 このような立場の違いがあることを考慮すると、再生医療の適切な発展・利用のための共通の原則・ルールは、どの程度の社会的規模で作るべきだと考えますか。

【ひとつ選択】

  1. グローバル(人類社会全体)。
  2. 多国間(国連加盟国など)。
  3. 実際に再生医療を推進可能な国同士:OECD (経済協力開発機構)加盟国等の先進国のあいだ。
  4. 一国内。
  5. 共通の原則・ルールは設けず、個人の意思にまかせる。
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No.008

私が一番重要だと思うこと:

研究から実際の医療応用へ『最短で高効率の道すじを整備する』。

理由:左記は、研究コスト削減と、必要な所に最大の研究費を投入することが可能となり、国の政策として整備することが必要。国際競争にも勝てるようになるし、雇用も確保できる。

No.011

私が一番重要だと思うこと:

再生医療が実用化されることで生じるであろう新たな問題(特に倫理的なもの)についての情報発信。

理由:新しい技術はポジティブな面が強調されて情報が伝えられることが、よくあるように思います。そうではなくてネガティブな面についてもきちんと情報を伝えることで、"どこまでやってもいいか"などの基準を社会全体で議論していく必要を感じます。

No.012

私が一番重要だと思うこと:

再生医療は善か?

理由:最終的なゴールを考えた場合に、健康に気をつけて体を大切にする生活様式が変わっていってしまう可能性がある。また、生きるということに対する意識の欠如なども考えられる。生命倫理についても考えなおす必要があるのでは?科学技術の発展の歯止めはだれが行えるのか?

No.021

私が一番重要だと思うこと:

「商品化していいものと悪いものの境界が分からなくなるのではないか」との不安。

理由:上記は、幅広い意見で捉えると再生医療に対する不安を集約するように思う。再生医療については、まず、医療の進歩として病気に苦しむ人達に役立つという意義は認められると思う。ただ、人の多様性や格差の問題等を考えた時、どこまで商品化するのかを規律することによりそれらの問題にこたえることになると思うため。

No.029

私が一番重要だと思うこと:

こんなことも起こるのか?

理由:再生細胞については、案外現実的な期待と心配しか一般の人は持っていないと自分でも思った。医療がどこまで神の領域に近づけるのかは過去何度も問題になったことではあるが、再生細胞の持つ将来の可能性はその中でも大きなものであると思うし、その危険性についても、研究の段階で法的なものを含めて規制し暴走を防ぐ必要があるのではないか?

No.031

私が一番重要だと思うこと:

いのちの治療が商品になる。

理由:・私自身お金が無いのでちょっと心配。 ・ビジネスに利用されたり、まずしい人たちが利用できないなどの問題を作ってはいけないと思う・またこれに関して、この技術が特許対象となり得るので、一部の機関や国等が独占しないように気をつけるべきだと思う。

No.036

私が一番重要だと思うこと:

再生医療が一般の人々に正しく受け入れられ、1つのビジネスモデルとして確立されるために、再生医療を方向付ける必要があるということに非常に大事だと気づかされました。

理由:再生医療にたずさわる研究者として、日々考えている意見や考えがフィードバックされることがないので、今回のカフェのような再生医療について考える機会があり、再生医療について方向づけられることが大事だと思いました。

No.038

私が一番重要だと思うこと:

再生医療導入のルールをどうやって決めるのか、という問題。

理由:不確実なことがたくさんあるのでルールを予め決められないし、決めても想定外の紛争が生じるだろうし、それを法廷にもってこられても困る。

No.042

私が一番重要だと思うこと:

ES、iPS研究が欧米なみに出来ると良い。

理由:「欧米先進国なみに」というレベル設定にはこだわらないが、日本の制度や、日本人の気質、社会性などが、研究を阻んでいる、という現実を具体的に教えてもらった。 日本人の考え方(あいまいさを良しとする、性善説、など)を入れこんだ、日本らしい制度を、日本人の手でつくることが大事だと思う。欧米のまねごとばかりでは必ず矛盾が出てくると思う。言いにくいこと(言ってはいけないと思ってるようなこと)も、きちんと出し合って、話し合っていく場が必要だと思う。

No.044

私が一番重要だと思うこと:

誰でも平等に治療が受けられる社会・医療体制を整えて欲しい。

理由:格差社会の中で貧しい国の人たちも同じ命を授かっているのだから、命の重みはどこも同じ。誰もが同じ様に受けられる治療を。

No.047

私が一番重要だと思うこと:

財政支出・集中的に。

理由:折角の芽だから、国あげて、人物・金を集中投下して、法規制も整備して、世界をリードする実績をあげてほしい。

No.049

私が一番重要だと思うこと:

他人間での細胞のやりとりに関わって生じる法的トラブル→金銭上の問題の発生→もらった細胞の安全性に問題があった、発生、など。

理由:自分の細胞を自分でつくって、自分の体に使うさいには、あまり法的問題が生じることは少ないと思われるが、他人間でのやりとりには、必ず多くの法的トラブルが発生すると思われる。 これを防止するために、あらかじめ当事者の合意の内容にどのような項目をもりこむかということはもちろん事前の法的規制が是非とも必要。しかし、あまり規制しすぎると本来の目的(難病治療等)の達成を阻害するので、どのあたりでバランスをとるのかが重要。

No.050

私が一番重要だと思うこと:

再生医療が実用化された時の貧富の差による問題。

理由:やっぱり、再生医療が実現されると、最初はまだ、再生医療をうけるのにものすごくお金がかかってしまうと思うし、貧富の差によって、ものすごくうけられる治療に差ができてしまうと思うから、貧富の差によって助からない命があってはいけないと思うから、そのへんの制度をきちっと確立してほしいと思います。

No.052

私が一番重要だと思うこと:

各個人の健康への「ミクロ」な配慮が必要である。

理由:マクロな視点とくに、先端医療技術の推進の立場に立ったとき、これを忘れがちだが、研究者・技術者・政策立案者等を含めて自分の体へのケアという原点に立たないとバランスある方向性は出てこない。

No.055

私が一番重要だと思うこと:

身体観・死生観がどのように変わるかということを、科学者は人文科学系の研究者や市民の人たちと一緒にもっと考えてほしい。科学研究と経済的利益とで突っ走りそう。

理由:日頃、生命科学系研究者達の中にいて、彼らは新しいことをどんどん進めて研究していく。人文系の歴史を振り返るとか反省するのとはとても違う。両者がもっとお互いのことを理解して、経済や政策も含めて、総合的に考えられるようになると、推進と抑制のバランスが取れて、うまくいくのではないかと思う。科学技術への市民参加には、人文社会系の力がもっと必要。人文社会系が市民の人たちにもっと理解されることも必要。

No.057

私が一番重要だと思うこと:

「再生すること=命につながる事」から体内で命をはぐくみ命を生み出し、一人の人間を育てる母として、そこには、技術的なことだけでは決して可能にならない心がある事を強く思いました。「古き良き物←自然」「新しき良き物←科学」再生医療で治すことができるようにする開発より、この調和が本当に難しく一番の課題ですね。

理由:私自身、出産の際自然分娩を希望していましたが、色々試したができず、帝王切開に頼りました。現代医学の力を借りないと産み出せない命がある事から、助けられる命と助けられない命、その判断は難しい問題ですね。

No.059

私が一番重要だと思うこと:

文化の広がりが狭まる。

理由:臓器を再生する際の臓器はなにを基準にして再生するのでしょうか。なにを健常とするか。それを誰が決めるのか。研究者はより良い技術を追求するだけでよいのか。身体にみえる障ガイはどのように考えるか、そこからうまれる様々なものの捉え方などの広がりは再生医療を考える中で必要と感じました。

No.061

私が一番重要だと思うこと:

他の人にもお金がかかる様な仕組みは作らないで欲しい。

理由:日本国全体の医療費が増えて税金が高くなるのが不安。一部の人が技術を受けられるのに他の人のお金が補助として使われないようにして欲しい。

No.062

私が一番重要だと思うこと:

人間が万能であると誤信し、生命を操作できるように思ってしまう。

理由:新しい科学技術を社会に導入するにあたり、まず、議論すべき問題はどこまでが人間が操作することが許される領域かということだと思います。これを議論し、社会的な合意を得た上で、当該技術に対する規制手段(学会ルールにゆだねるか、法的規制をどの程度行うか)を模索すべきだと思います。

No.075

私が一番重要だと思うこと:

iPS細胞を使った再生医療が犯罪に用いられる可能性がある。

理由:過去の歴史からもわかるように新しい技術はその目的とははずれて軍事や犯罪に用いられてきた。iPS細胞もそうならないようになにか工夫が必要である。

No.090

私が一番重要だと思うこと:

倫理。

理由:科学技術の暴走、抑制。

No.091

私が一番重要だと思うこと:

「市民の了解が必要である」という意見。

理由:再生医療にしても、そのほかの問題にしても、わたしたちの生活や利益に関わる問題が、わたしたちとは離れた場所でいつのまにか決められていくのには、問題があると感じています。市民へ必要な情報を提供し、市民が議論し、市民が意見を述べて、それが政策に反映されるような仕組みを、再生医療についてもつくっていく必要があると思います。

No.094

私が一番重要だと思うこと:

将来への再生医療、創薬に道が開ける。

理由:iPS細胞は人間の細胞がどんなに柔軟なものかを示しています。だからこそ人間にまで進化してきたのではないでしょうか。その力を信じて、多くの人の病がなおることは期待できるし、嬉しいことです。 ただ男性の細胞から卵が、女性の細胞から精子ができるかもといった事や、人間とは、を考えなおし、倫理規定が必要となると思います。 世界的な組織での研究を望みます。日本は特に新しいこと(研究・成果)には、なかなか予算も承認も遅いと聞きます。その点も前向きになる必要があるでしょう。

No.114

私が一番重要だと思うこと:

研究体制や市民への説明の国レベルでの支援が重要。

理由: ・国がリードして研究体制や安全性の整備を進めないと国益を損ねる。 ・優秀な研究者が育成されない。 ・欧米諸国と対等に戦うためには、国からの支援なしではやっていけない。

No.115

私が一番重要だと思うこと:

犯罪等への悪用を防止し、バイオビジネスの国際的な競争優位に結びつけられるような体制作りが重要。

理由:医薬品、医療機器等の分野での国際競争は欧米の大企業が圧倒的優位に立っているが、国内のiPS細胞の技術的優位を生かして、国内産業活性化の起爆剤として活用されたい。

No.118

私が一番重要だと思うこと:

基礎研究と臨床応用がバランス良く行われていくこと。

理由:再生医療研究は臨床応用という形での実現が最重要課題だと思います。しかし、そのためには基礎と応用の両方の研究が必要になります。基礎研究を行っている立場からは、再生医療の実現には基礎におけるブレイクスルーが必要であると同時にその技術を応用する術を持つ人達の協力が重要だと思っています。どちらに偏ることも、逆にバランスだけを考えるだけでも不十分で、両方向的に発展している必要があると思います。

No.123

私が一番重要だと思うこと:

再生医療の適正化を推進するために法制化などのルールづくりをして、治療費の高額化を押さえるために保険診療の適用をすること。

理由:地方公共団体の財政や法務の総務的な仕事をしていた私にとって、法制化や財務的なことに興味があり、まず、法制化などルールをつくることによって、再生医療の目的外利用を押さえ込む事ができ、倫理的にも有効であると考え、また、保険診療の適用をすることによって、財政的に軽減できるものと考えたからです。

No.127

私が一番重要だと思うこと:

国と現場研究者の相互理解が最も重要。

理由:どこか1つの環境が熱心に政策を進めても意味は出てこない。研究者の努力に応える国家政策、国民の理解、そして国家政策を有効に利用できる研究体制、研究者のモチベーション、市民サポート、さらには、市民の求める医療の実現を国・研究者が一体となって目指す。近い将来、技術が1つでも実ることを願う。

No.139

私が一番重要だと思うこと:

倫理上の問題は?

理由:ケアマネの業務をしており、本人と家族の意見、価値観の違いや、医療職との意識の違いを実感している。立場や価値観・倫理観が違えば選択や意思決定は違ったものになる。医療技術の発達向上を希望するが、それが一方的な考えや、物の見方だけで、一方向に向かうのはこわい事だと思う。多角的に向上していって頂ける事を希望する。

No.144

私が一番重要だと思うこと:

いつ、どのようにどの方向に再生医療が発展すべきかは、「研究者」「社会」様々な面から具体的に提示する必要がある。(考えるだけでなく)

理由:普段世の中がどうなった方が良いと考えることがあっても、声に出して提示しなければ、discussionもできないし、いつまでも具体性に欠けると思ったため。

No.150

私が一番重要だと思うこと:

研究体制の充実化。

理由:ヒトへの臨床応用に際しては厳格なルール作りが必須であるが、その一方で、現場では、多くの書類を記載・作成する必要があり、また、それらは増加の一途と感じている。技術的な進歩により(IT等)解決すれば良いと思っています。

No.151

私が一番重要だと思うこと:

研究者の研究成果を適正に評価し、成果報酬がもらえるシステムがほしい。

理由:研究職そのものが安定的な職種でもなく、必ずしもビジネスにつながる研究であるとは思わない。再生医療も多くの研究者が参加し、競いあう環境にあり、非常に厳しい場所であると考えられる。その中で研究成果を適正に評価し、成果報酬がもらえるようなシステム・ビジネスへのつながりというリターンにつながるモデルが考えられると嬉しい。

No.156

私が一番重要だと思うこと:

移植によって、様々な利益が生まれる一方で、それが商業化される恐れがあるということ。

理由:子供の教育費などもそうであるが、金銭的に豊かな人は恩恵を受けられるが、その余裕がない人は我慢するしかないというのは倫理的におかしいと思う。 でも、だからといって再生医療の発達を好ましく思わない訳ではなく、この分野の探求には、それをどう広く人々に生かせるかを考えることが不可欠だと思いました。

No.159

私が一番重要だと思うこと:

国の支援。

理由:現在の日本では、再生医療に関する民意・国策・国際的競争力の面で不十分であるから。

No.161

私が一番重要だと思うこと:

『再生しすぎるのが不安』という言葉が心に残りました。

理由:技術の進歩は素晴らしいし、多くの人々が幸せになるためには研究・開発はとても重要だと思います。ただし、何事においても「行き過ぎた」ものは問題があると考えます。細胞が増え続けたりすることをコントロールできるのか?逆にコントロールすべきなのか?あるべき姿を常に念頭に、研究をしてほしいです。

No.162

私が一番重要だと思うこと:

再生医療の実現に、方向性に具体性が欲しい。

理由:再生医療は「医療」であって、基礎研究の成果だけで実現するものではない。その実現は、むろん細胞に関する十分な知識は必要であるが、それ以外にも、標準的な医療とするための様々な技術が必要であるし、経済、社会、哲学的問題についても万民で考えていく必要があろう。

No.165

私が一番重要だと思うこと:

技術開発に伴う負の影響を考慮なしに世界をリードすることはできない。

理由:社会に対する影響を考えることは、その技術が世間で受け入れられることにつながっていくと思うから。技術に対して妥当な意見を持つ事ができる人達はその技術を開発していない側の人達である。

No.167

私が一番重要だと思うこと:

社会の合意をどうしてとりつけるか。

理由:沢山のいろいろな意見があるので、合意をとりつけるのは至難のことと思う。まとまらないと世界から遅れることになる。

No.174

私が一番重要だと思うこと:

再生医療に対する倫理上の問題、再生医療の結果訪れる死生観の変化など倫理の問題。

理由:倫理という曖昧な言葉、個々人によって全く異なる価値によって科学技術にストップをかける、口を挟むことが許されるのか。本来、個々人が決めるべきことを集団の倫理観などという存在もしないもので決めてしまっていいのか(私は良くないと思う)。中絶、クローン技術、臓器移植などを倫理上問題があるなどといって法で規制することは全く説得力がなく、不可能だと思う。