Q14

■市場メカニズムを通じて発生する可能性のある医療格差の問題

医療に用いられる段階において、再生医療はどのように導入・普及(規制・製造販売)されてゆくべきか?

【アジェンダ】

通常、医薬品や医療機器の製造販売は、薬事法の規制に従って、安全性や有効性に関する臨床試験(治験)と国による審査が行われ、承認された者だけが行うことができます。製造販売するのは一般に私企業です(*)。
このように国が安全性や有効性に関する規制を行い、私企業が製造・販売を行う官民の役割分担は、再生医療でも同じであると見込まれます。一方、再生医療は、大きな効果(患者など利用者が得られるメリット)が期待される反面、安全性や経済的な医療格差などの大きな社会的影響をもたらすことも予想されます。基礎研究を経て、実際に医療に用いられる段階において、再生医療はどのように導入・普及(規制・製造販売)されてゆくべきだと考えますか。以下のうちからあなたの考えに近いものを一つ選んで下さい。

【ひとつ選択】

  1. 国による規制のもと、国が認定する限られた公的機関のみが製造販売を行う。(国の専売)
  2. 現状どおり、国による規制のもと、国が承認した私企業が主に製造販売を行う。
  3. 私企業の自由な活動と競争に任せたほうが価格の低下、品質の向上が望めるため、国の規制を緩和し、品質や安全性の管理も含めて基本的に私企業に任せる。
«Q13
Q15»
Bookmark and Share
No.014

私が一番重要だと思うこと:

命を大事にするということ。

理由:今日、意見を出しあったことで、クローンなどを作れるとなったら自分の命の大切さを見失ってしまのではないかという疑問を持った。寿命があるから人は死を悲しみ、生きていることを大切だと思うことができるのだと思う。寿命がたとえ短くても、長くても、その1度きりの人生をどのように大切に生きて行くかというのが、人間には必要なことなのではないだろうか。iPS細胞によって人は新たな可能性を持つことになるだろう。その可能性を間違った方に広げていくのではなく、人にとってプラスになる方向に広げていくことができたらいいと思う。命の大切さはいつの時代も忘れてはならないことであろう。

No.031

私が一番重要だと思うこと:

いのちの治療が商品になる。

理由:・私自身お金が無いのでちょっと心配。 ・ビジネスに利用されたり、まずしい人たちが利用できないなどの問題を作ってはいけないと思う・またこれに関して、この技術が特許対象となり得るので、一部の機関や国等が独占しないように気をつけるべきだと思う。

No.036

私が一番重要だと思うこと:

再生医療が一般の人々に正しく受け入れられ、1つのビジネスモデルとして確立されるために、再生医療を方向付ける必要があるということに非常に大事だと気づかされました。

理由:再生医療にたずさわる研究者として、日々考えている意見や考えがフィードバックされることがないので、今回のカフェのような再生医療について考える機会があり、再生医療について方向づけられることが大事だと思いました。

No.038

私が一番重要だと思うこと:

再生医療導入のルールをどうやって決めるのか、という問題。

理由:不確実なことがたくさんあるのでルールを予め決められないし、決めても想定外の紛争が生じるだろうし、それを法廷にもってこられても困る。

No.087

私が一番重要だと思うこと:

再生医療で日本をリードするために期待は大きい。

理由:最近、日本が学問の分野で活躍できる分野は少ない。再生医療は今、日本がリードしている学問であるに違いない。倫理的不安、社会的不安、学問的不安の反面、期待が大きい(生き生きした生活がおくれる、新たな健康ビジネス)があることを忘れてはならない。

No.115

私が一番重要だと思うこと:

犯罪等への悪用を防止し、バイオビジネスの国際的な競争優位に結びつけられるような体制作りが重要。

理由:医薬品、医療機器等の分野での国際競争は欧米の大企業が圧倒的優位に立っているが、国内のiPS細胞の技術的優位を生かして、国内産業活性化の起爆剤として活用されたい。

No.122

私が一番重要だと思うこと:

医療に実際に安全に使用できると基礎研究で確認された後のトランスレーションプロセスで私企業に移管するのが果たして最適なのかどうか?社会での議論が非常に重要と思います。

理由:この種の高度な生命倫理的な議論が必要な生産物と市場への提供に関して、私的な利益追求が基本コンセプトの私企業に移すことに疑問を抱いています。

No.134

私が一番重要だと思うこと:

技術的未成熟性に起因する未知・不可知の問題が起こるリスクがある(他の例:遺伝子組み換え技術等)。

理由:特に、直接、身体の一部に替わる技術や、毎日身体に取り入れる物質(食品・医薬等)に関する技術の実用化に際しては、慎重な事前経験・検討を重ね、低リスクであることを十分に確認するとともに、そのリスクに見合う便益があることを、他の課題と整合させながら確認していく必要があるから(リスク・ベネフィット・バランス)。

No.151

私が一番重要だと思うこと:

研究者の研究成果を適正に評価し、成果報酬がもらえるシステムがほしい。

理由:研究職そのものが安定的な職種でもなく、必ずしもビジネスにつながる研究であるとは思わない。再生医療も多くの研究者が参加し、競いあう環境にあり、非常に厳しい場所であると考えられる。その中で研究成果を適正に評価し、成果報酬がもらえるようなシステム・ビジネスへのつながりというリターンにつながるモデルが考えられると嬉しい。

No.156

私が一番重要だと思うこと:

移植によって、様々な利益が生まれる一方で、それが商業化される恐れがあるということ。

理由:子供の教育費などもそうであるが、金銭的に豊かな人は恩恵を受けられるが、その余裕がない人は我慢するしかないというのは倫理的におかしいと思う。 でも、だからといって再生医療の発達を好ましく思わない訳ではなく、この分野の探求には、それをどう広く人々に生かせるかを考えることが不可欠だと思いました。