私たち DeCoCiS では、熟議キャラバン2010というイベントを開催しました。
このサイトでは、そのイベントを通して、多くの方々の議論を経て提案された「再生医療に関して、今、社会で議論すべきこと」を紹介します。

自分で回答してみる

このページを下にスクロールしていくと設問と選択肢が出てきます。この設問は、再生医療について重要なポイントを考える助けになるようにつくられており、みなさんも回答していくことができるようになっています。
皆さんの回答結果は、世論調査と比べた形で一覧でき、印刷したりTwitterでつぶやいたりもできるようになっています。お知り合いやご家族と比較して、議論してみてください。

いろんな人の考えを知る

質問一覧ページからリンクたどると、議題を作成した会議でつくられた質問文がすべてご覧頂ける、質問詳細ページにアクセスできます。
ここで特に注目して欲しいのは、各質問のもとになった、ワークショップで参加者から寄せられた180の論点です。また「みんなの意見」ボタンを押すと、市民と医療関係者に対して行った社会調査の詳細な結果も見られます。

【利用法】

 再生医療について、何が社会で議論
 すべき問題だと思われているのかを、
 概観するのに便利です。

各問題を回答する時に、考慮して欲しい
情報も盛り込んであります。また問題に
対する世論調査の結果や、問題に関する
色々な立場の人の生の声が見られます。

ボタンを押していく簡単な操作で、自分
の考えを一覧できるレポートを作成でき
ます。同時に、自分の考えた結果を社会
調査と比較できます。

回答する際に考慮して欲しい情報や世論
調査の結果、その問題に関連する色々な
立場の人の生の声などを参照しながら
考えることができます。

皆さんの回答結果は、簡単に印刷できま
す。勉強会や授業などで持ち寄って、議
論してみて下さい。回答結果は Twitter
でつぶやくこともできます。

各ページには、ツイートボタンがありま
すので、問題自体や皆さんの選択理由な
どに関して、議論をしてみて下さい。
それらの発言は、RT欄に反映されます。

なお、これらのページは報告書に基づき、Web用に編集したものです。詳細について関心をもたれた方は、報告書(2011年度中発行予定)をご覧ください。
Q/A

さあ、自分の回答をつくってみよう

あなたのニックネーム:(お持ちの場合、Twitterアカウントの入力を推奨しています)

■再生医療と私たちの価値観(身体や生命、病、健康についての)との関わり

Q1(1)倫理的な観点から見て、再生医療を行ってもよい範囲について、どのように思うか?【ひとつ選択】

  1. 技術的に可能なら何でも行ってもよい。 Q2
  2. ある程度の限界を設け、その範囲内であれば行ってもよい。 Q1 (2)
  3. 一切行うべきでない。 Q1 (3)

Q1(2)-1人体の部分で、倫理的に見て、再生してもよいと思うものは何か?【複数選択可】

  1. 細胞・組織(
  2. 臓器(
  3. 生殖細胞(精子や卵子等を幹細胞から作り、不妊治療に用いる)
  4. 人間の個体(人のクローン)

Q1(2)-2倫理的に見て、どのような場合に再生医療を利用してもらうべきか【複数選択可】

  1. 生命の危機に瀕している場合。
  2. 生死に関わらないが生活に重大な支障がある場合(歩けない等)。
  3. 日常生活に重大な支障がない場合(近視等)。
  4. 美容・アンチエイジング等をする場合。
  5. ペットや家畜を治療する場合。

Q1(3)「一切行うべきでない」または「限界を設ける」理由は何か?【ひとつ選択】

  1. アイデンティティ(自分らしさ)がわからなくなるから。
  2. 生命や身体の軽視につながるから。
  3. 自然の摂理に反する行為だから。
  4. 具体的な理由はないが、感覚的な違和感があるから。

Q2再生医療の適切な発展・利用のための共通の原則・ルールは、どの程度の社会的規模で作るべきか?【ひとつ選択】

  1. グローバル(人類社会全体)。
  2. 多国間(国連加盟国など)。
  3. 実際に再生医療を推進可能な国同士:OECD (経済協力開発機構)加盟国等の先進国のあいだ。
  4. 一国内。
  5. 共通の原則・ルールは設けず、個人の意思にまかせる。

Q3社会的合意作りには、誰が主体的に当事者意識をもって取り組むべきだと思うか?【複数選択可】

  1. 再生医療に関連する研究者や専門家。
  2. 行政機関や行政主導の有識者会議。
  3. 政治家(議会)。
  4. 市民(非専門家)。
  5. 上記 1. 〜 4. が一同に集まり議論できる場や仕組みを設け、ともに取り組む。

Q4(1)健康の維持や回復を優先するか、生活習慣の維持を優先するか?(その選択は、再生医療技術の有無によって変化するか?:肝機能を修復・増強するために再生医療技術が「利用できない」場合)【ひとつ選択】

  1. 酒が好きなので、飲酒習慣を止めない。
  2. 自分の身体を大切にしたいので、禁酒する。
  3. 飲酒量を少なめにして、健康にも配慮する。

Q4(2)健康の維持や回復を優先するか、生活習慣の維持を優先するか?(その選択は、再生医療技術の有無によって変化するか?:再生医療技術を利用して肝機能を修復・増強することができるとした場合)【ひとつ選択】

  1. 再生医療を利用し、飲酒習慣を続ける。
  2. 再生医療を利用せず、飲酒習慣を続ける。
  3. 再生医療を利用し、禁酒する。
  4. 再生医療を利用せず、禁酒する。

Q5再生医療を利用せず「病気とともに生きる」ことを選ぶという価値観への見方は、どうなるか?【ひとつ選択】

  1. 特別視されることはない。
  2. 「あえて再生医療を利用せず、病気とともに生きる」という価値観に対する非難が起きる。(「治せるのに、なぜ利用しないのか」など。)
  3. 「あえて再生医療を利用せず、病気とともに生きる」という価値観への共感が広がる。
  4. 再生医療を利用して病気を改善・治癒する人々が増え、患者と健常者という2つの立場を経験し、理解する人が増える。そのため、「病気とともに生きる」という価値観に共感する人も増える。

Q6「リスクを冒してでも病気を治す」という価値観への見方は、再生医療の発展によって、どうなるか?【ひとつ選択】

  1. 特別視されることはない。
  2. 「人間誰しも病気になり、いつかは死ぬ」という自然の摂理を受け入れるべきだという考えなどから、「リスクを冒してでも病気を治す」ことへの反感が広がる。
  3. 「リスクを冒してでも病気を治す」ことへの共感が広がる。
  4. 再生医療を利用して病気を改善・治癒する人々が増え、患者と健常者という2つの立場を経験し、理解する人が増える。その結果、社会の中で「リスクを冒してでも病気を治す」ことに共感する人も増える。

Q7再生医療技術により、脳死臓器移植をしなくて済むならば、人の死に対する考え方にどんな影響があるか?【ひとつ選択】

  1. 特に影響はない。
  2. 脳死についての議論に影響を与える。
  3. 脳死に限らず人の死に対する考え方に影響を与える。
  4. わからない。

■再生医療が普及することに伴うことが想定されるさまざまな社会への影響

Q8新しい再生医療技術を使用して問題が発生した場合に、最も大きな責任を負うべきと思われる関係者は?【ひとつ選択】

  1. 患者
  2. 施術した医師や医療機関
  3. 技術を開発した研究開発機関
  4. 安全審査と認可を行った国

Q9科学の不確実性に起因する、社会への長期的影響を踏まえ、再生医療をどのような規制の下に置くべきか?【ひとつ選択】

  1. 現在の規制に加えて、別途、再生医療を対象とした新しい法律による規制が必要(違反の場合は処罰も必要)。
  2. 現在の規制以外の法律化はしないが、行政が再生医療を対象とした指導を行うことが必要。
  3. 現在の規制に加え、医療機関や業界団体が自主規制を行う。
  4. 現在の規制を続けるだけでよい。

Q10(1)リスクに関する情報が、患者に十分に提供されるようにするため、最も重点が置かれるべき提供手段は?【ひとつ選択】

  1. マスメディアからの情報提供。
  2. Webでの情報公開。
  3. メールでの問い合わせ。
  4. 電話での問い合わせ。
  5. 主治医以外の専門家による対面方式の情報提供(セカンドオピニオン)。
  6. 主治医からの情報提供のみで十分である。

Q10(2)提供される情報の内容が適切なものになるように、どのような方法での保証が必要か?【ひとつ選択】

  1. 国会が「法律」を定める。
  2. 担当の省庁が「指針」()を定める。
  3. 各情報提供者が自主的にルールを定める。

Q11人口増加、高齢社会化や医療費の増加などの問題が生じる可能性に対して、対策は必要か?【ひとつ選択】

  1. 対策の必要はない。
  2. 再生医療は広く普及させ、別途、人口や医療費の増加、高齢社会化に対する対策を講じる。
  3. 生産人口のバランスを考慮して、再生医療の適用方法を決定する。

Q12再生医療による治療を目指した研究と、病気や障がいと共に生きることへの支援のどちらを重視すべきか?【ひとつ選択】

  1. 研究費の額は大きい。研究費を削って社会福祉システム(交通機関・建物等のバリアフリー化など)に予算を回すべき。
  2. 研究費の額は大きい。研究費を削って、身体の機能不全(「歩けない」など)を補う補助具の開発や、日常生活・外出を手助けする介助者の充実を図るべき。
  3. 研究費の額は小さい。研究費を増やして身体の機能回復(「歩けるようになる」など)の実現に向け、再生医療研究を押し進めるべきである。
  4. 研究費の現在の額は妥当である。

■市場メカニズムを通じて発生する可能性のある医療格差の問題

Q13経済状況の違いによる受診負担の格差を軽減するため、現在の公的な保険制度の他に、どんな支援が必要か?【ひとつ選択】

  1. 全額を公的負担。
  2. すべての人に対して一律の割合で、一部を公的負担。
  3. 各人の経済状況を勘案した割合で、一部を公的負担。
  4. 現在の公的な保険制度以外には支援は不要。
  5. 現在の保険制度も含めて公的支援は不要。全額を自己負担するか民間の医療保険を利用する。

Q14医療に用いられる段階において、再生医療はどのように導入・普及(規制・製造販売)されてゆくべきか?【ひとつ選択】

  1. 国による規制のもと、国が認定する限られた公的機関のみが製造販売を行う。(国の専売)
  2. 現状どおり、国による規制のもと、国が承認した私企業が主に製造販売を行う。
  3. 私企業の自由な活動と競争に任せたほうが価格の低下、品質の向上が望めるため、国の規制を緩和し、品質や安全性の管理も含めて基本的に私企業に任せる。

Q15地域格差をなくす(緩和する)ための方策として、最も重視すべきものはどれか?【ひとつ選択】

  1. 地域の世話役による訪問(地域性重視)
  2. 定期健診項目への追加(早期発見重視)
  3. 救急車やドクターヘリの充実化(受診時の機動性重視)
  4. Webを通じたオンライン受診(デジタル化重視)
  5. 特に方策は採らなくてもよい。

Q16再生医療技術を用いた治療の場合、保険適用の範囲をどのように設定すべきか?【ひとつ選択】

  1. すべての範囲の治療に保険適用する。
  2. より命にかかわる治療対象を優先。
  3. 若い人を優先。
  4. 生活に及ぼす影響が大きいものを優先。
  5. 保険適用しない。

■再生医療の研究・開発を進めていく際の戦略に関する問題

Q17国の戦略として、総合的に考えて、再生医療はどの対象に利用することを目指して研究・開発を行うか?【ひとつ選択】

  1. 現在効果的な治療法がない疾患のみに研究・開発の対象を絞る。
  2. 1. に加えて現在、ある程度効果的な治療法のある疾患まで含む。
  3. 1.、2. に加えて美容整形・アンチエイジングなども含む。
  4. 再生医療をこれ以上進めなくてよい。

Q18保険外診療や先進医療として再生医療が行われる場合、そのための枠組み作りで優先されるべきはどれか?【ひとつ選択】

  1. 本人の意志以外に枠組みは必要ない。
  2. 治療法の質を確保するために危険性や効果の十分な科学的検証を行うこと。
  3. 危険性や効果および必要性について患者が自ら判断できるように、医師が十分な説明を行うこと。
  4. 保険適用の範囲で治療を行う医師や医療機関の質と数を十分確保するために、保険外診療で再生医療を行う医師・医療機関の数を経験や資格などによって制限する。
  5. 再生医療を保険外診療として認めない。

Q19大学での基礎研究の資金について、将来の利益を考えて、どこが負担することが最も合理的か?【ひとつ選択】

  1. 個人による寄付。
  2. 企業による寄付(使い道は研究者がある程度自由にできる)。
  3. 一般企業からの委託研究費(課題を指定して研究を大学に委託するもの)や共同研究(企業の出資に基づいて大学と企業が共同で研究するもの)。
  4. 非営利の民間財団による研究費助成。
  5. 国が国家戦略としてトップダウンで研究拠点を定め、重点的・優先的に予算を配分する。
  6. 国からの競争的な研究費助成(研究課題を研究者が提案し、それを国の助成機関が審査・採択し、予算を配分するボトムアップな方法)。

Q20研究を発展させるために、研究者のモチベーション(やる気)を高めるような支援はどうすれば良いか?【ひとつ選択】

  1. 研究者の報酬を上げる。
  2. 研究者の雇用を安定させる。
  3. 研究者が研究に集中できるように倫理審査や予算獲得等の事務手続きを簡略化する。
  4. 研究者が研究に集中できるように倫理審査や予算獲得等の事務手続きを行う事務員を雇えるようにする。
  5. 現状のままでよい。
  6. 研究者がどのような仕事をしているのかが分からないので、答えられない。

■社会とのコミュニケーションに関する問題

Q21社会に普及させたほうがよいと思う、市民にとって参加しやすく、影響力も持てる参加の方法は何か?【ひとつ選択】

  1. 各地での市民コミュニティにて会合(タウンミーティング)を行う。
  2. 再生医療の専門家が集まる会議に一般市民も参加し、発言する。
  3. 再生医療の専門家が一般市民の意見を取りまとめる。
  4. 公共マスメディア(テレビやweb)にて討論を行う。
  5. 国民の代表である国会議員で論議する。
  6. 調査会社等による世論調査を適時行う。
  7. 市民を交える必要はない。(専門家だけで決める。)

Q22市民にとって正確で分かりやすい情報が十分に伝わるために、最も強化すべきと考えられる活動は何か?【ひとつ選択】

  1. マスコミによる啓蒙活動とアンケート調査。
  2. 科学ジャーナリストの育成。
  3. 再生医療を市民にわかりやすく説明し、医療従事者にフィードバックできる専門家による活動。
  4. 研究機関、医療機関による積極的な説明。
  5. 市民活動の場での市民と医療従事者との対話。
  6. そのような活動は必要ない。