コンセンサス会議

consensus conference

一般からの公募などで選ばれた20名前後の「市民パネル」が、社会的な論争となっている話題に対して、詳しい複数の専門家と対話しながら、市民パネルとしての合意(コンセンサス)を目指して議論を進める会議手法です。(文献1)

■ 何するの?
(文献1)
【会議の進め方の一例】
*計画・準備段階:
1.計画・準備
・計画は会議の6ヶ月前から計画を開始し、運営委員会、事務局を決定する。
・会議開催までのスケジュール、市民パネルの司会(ファシリテータ)の選考、関係する専門家のリスト作成、市民パネルにテーマを説明する文書の準備などを行う。

2.市民パネルの構成
・新聞の公告を通じて市民パネルを募集する。
・応募者は自己紹介、テーマについて持っている知識、参加したい理由を紙1枚に書いて申し込む。年齢・性別・教育程度・職業・地域を考慮して10?15人程度の市民パネルを選ぶ。

3.専門家パネルの構成
・事務局長は候補となった専門家にコンタクトを取り、専門家パネルに参加する意思を確認する。

4.準備会合
・会議の2,3ヶ月前から1ヶ月前までに準備会合を開催する。
・その会合において市民パネルは「鍵」となる質問を決め、どのような専門家たちに答えて欲しいかを決める。
・この後、事務局長は専門家パネルを作り、会議の最終プログラムを決める。
・市民パネルは専門家パネルの構成を承認する。
・「鍵」となる質問を最終的に決めて文書化し、事前に専門家パネルに送付する。

*会議開催:
第1日(公開)
・専門家パネル(10-15人)(会議の特性に合わせて人数は柔軟に変更可能)はそれぞれ20-30分で市民パネルの出した質問に答え、見方・知識を提示する。

第1日夜
・市民パネルは1日目の専門家パネルからの説明に基づいて、第2日にどのように専門家に質問するかを決める。

第2日午前(公開)
・専門家パネルへの質疑応答。

第2日午後及び夜
・市民パネルは最終文書(合意文書)を用意する。パネルは始めいくつかのグループに分かれて議論し、それを持ち寄ってさらに議論してコンセンサスを作る。

第3日午前(公開)
・市民パネルは最終文書を発表する。専門家は技術的誤りや誤解を訂正する(内容にはコメントできない)。その後、会場全体で議論する。

■ どういうときに使うの?
(文献1)
・中央のトップダウンな政策に対して、きわめて民主的でボトムアップ的な参加の場を市民に提供する試みのため、地域市民の意見に沿った解決策などが示される可能性がある。
・市民が科学技術や政策への興味関心を持ち、また政策の重要性について認識を深める機会となる。
・参加者同士の連帯感、仲間意識が形成される。
・専門家と市民の対話が進むことにより、市民は専門知識を深めることができ、専門家はわかりやすい伝達手法について学ぶことができる。
・問題に対する共通の理解が進み、問題を可視化することができる。
・行政が、市民の意見を真摯に受け止める良い機会となる。

■ 参加者は誰?
市民10名-30名、様々な立場の専門家

■ 開催費用は?
高。

■ 時間は?
3日程度。

■参考文献
1.環境省 2008 協働による持続可能な地域づくりのための手法・ツール集
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=10223

■ もっと情報がほしい場合は?
・小林傳司 2004 誰が科学技術科学技術について考えるのか

・若松征男 2010 科学技術政策に市民の声をどう届けるか 東京電機大学出版会

・科学技術への市民参加を考える会(AJCOSTホームページ)
http://www.ajcost.jp/material_h_2.htm

・コンセンサス会議実践マニュアル
http://www.ajcost.jp/booklet/book.htm

・北海道庁遺伝子組換え作物コンセンサス会議ホームページ
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ns/shs/shokuan/gm-consensus.htm

・コンセンサス会議に関する文献リスト(三上直之氏による)
http://d.hatena.ne.jp/nmikami/00010001/1278300785

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