遺伝子組換え作物対話フォーラムプロジェクト(大規模対話フォーラム)
■ 何するの?
〇手順(参考1)
大規模対話フォーラムは、大別すると、傍聴チームと討論チームに区分される。傍聴チームは傍聴者と傍聴者支援者から構成される。討論チームは討論者と情報発信支援者から構成される。実行委員会は会議を監視し、外部コメンテーターは最後に全体を通したコメントをする。
共同宣言は以下の手順で行われた。
1.事前に行われていた討論者意見交換をもとにし三つの討論項目に関し意見集約を図るための議論を行った。
2.討論チームが三つの討論項目に関する共通見解をまとめ、「共同宣言(仮)」を提出した。
(情報発信チームがとりまとめを支援。)
3.傍聴者がテーマごとに3グループに分かれ、(グループ分けは当日指定)共同宣言(仮)を吟味した。(傍聴者支援チームがファシリテーターとして支援。)
4.各傍聴者グループの討論結果の報告がファシリテーターにより行われ、それを踏まえて討論者を交えた意見交換が行われた。
5.討論者チームは傍聴者意見を踏まえて「共同宣言(仮)」を再検討し、「共同宣言」を作成した。(情報発信チームがとりまとめを支援。)
6.共同宣言文(暫定版)を討論チームの代表が読み上げ、実行委員長に手渡した。
7.平川コメンテーターによる総括的コメント。
〇スケジュール(参考2)
【2008年8月9日(土) 9:30-18:00】
9:30 開会・挨拶
9:35 これまでの経緯と議論の進め方
◆ 北海道GM条例についての基本的情報の確認
◆ 隔離距離や交雑率・混入率に関する国別比較
◆ 北海道GMコンセンサス会議市民提案の確認
◆ 円卓会議で決まった検討事項の確認
◆ GM作物やGM食品についての基本的情報の確認
*組換え技術の基本
*GM作物を取り巻く環境
・栽培状況の確認
・技術開発の視点
・社会経済学的視点
・GM論争を振り返る視点
◆ 討論者の予備的考察のまとめの紹介
10:00 本会議 宣言案原案の検討 <三つの課題>について (130分)
A北海道農業をどうデザインするか(50分)
B.科学者・行政に求める役割(40分)
C.選択の自由(40分)
12:10 昼食
13:10 課題決定のくじ引き、および、宣言原案の再検討
14:00 傍聴者休憩
14:25 傍聴者に向けて共同宣言原案の報告
14:30 傍聴者による原案検討作業(3グループ)
A:北海道農業をどうデザインするか
B:.科学者・行政に求める役割
C:選択の自由
15:30 休憩
15:45 傍聴者と討論チームの意見交換
・各グループ毎に傍聴者へ報告
・傍聴者からの意見・質問→吉田+討論チームからの回答
16:30 討論者チーム修正議論
17:15 休憩
17:25 共同宣言 討論者が分担して読み上げる
17:35 コメンテーターからの意見
17:50 今後の予定/閉会の宣言
17:56 GM作物対話フォーラムプロジェクトから一言
18:00 終了
2008年8月20日に宣言文を北海道農政部に提出。
■ どういうときに使うの?(目的)
(参考1より抜粋)
本研究の目標は、?専門家の社会リテラシーと市民の科学リテラシー双方の向上を図り、?「科学者・技術者と市民との対話(討議)を促すモデル」を開発することであった。この目標を実現するために、北海道の遺伝子組換え作物論争(以下GM作物論争と表記)を取り上げ、GM作物論争に関する対話フォーラムの組織・運営を行うこととした。本対話フォーラムは本研究開発目標を実現するための一種の社会実験であると同時に、論争に関して何らかの合意を得ることを目指して企画・運営されたものでもある。
本研究の背景は、「遺伝子組換え作物の栽培等による交雑等防止条例(通称、北海道GM条例)」の見直しが平成21年1月に予定されていたことである。条例策定には道民の意向が反映されたものの、見直し時に行政が市民参加をどのように実現するのか不明な状況下で、「草の根(一般消費者、消費者団体、農業者等の生産者、加工業者、研究者、行政等)」からの議論が巻き起こることが必要なのではないか、と考えたのである。
本研究目標を実現するために、質や規模の異なる三つのレベルの「対話の場」(小規模対話フォーラム、円卓会議、大規模対話フォーラム)を作り出し、それらを組み合わせることによって、全体の目標を達成することを試みた。(以下では、これら三種類の対話によって構成される対話の場のモデルを「対話の三段階モデル」と呼ぶことにする。)
〇傍聴者を巻き込んだ大規模対話フォーラムと共同宣言
対話の三段階モデルの最終段階は、公開で行われる大規模対話フォーラムである。このフォーラムの目的は、円卓会議で合意された「課題」に関する議論を行い、共同宣言を出すことである。本研究では、小規模対話フォーラムを組織し大規模フォーラムでの共同宣言の作成・発表までのプロセスを、社会問題解決手法の一つのモデルとして創出することを試みた。
大規模対話フォーラムでは、討論者グループと発言権を持った傍聴者グループを作り、討論者が作成した共同宣言(仮)を傍聴者が吟味し、さらに討論者がそれらの吟味を考慮した上で共同宣言するという手順を踏むことにした。大規模対話フォーラムは、本研究の運営委員会から独立した実行委員会により運営された。
■ 参加者は誰?
計66名。うち公募による傍聴者が41名(発言権あり、集約の上、宣言に反映)。
■ 開催費用は?(資金源)
Ristex「21世紀の科学技術リテラシー」
研究代表:松井博和
研究科題名:研究者の社会リテラシーと非専門家の科学技術リテラシーの向上
研究期間:平成17年12月?平成20年11月
■実施体制
主催:遺伝子組換え作物対話フォーラムプロジェクト
実施:「遺伝子組換え作物を考える大規模対話フォーラム」実行委員会
協力:北海道
■ 時間は?
2008年8月9日(土) 9:30?18:00(8.5時間)。
■ 参考文献
参考1:遺伝子組換え作物 対話フォーラムプロジェクト成果報告書
http://www.agr.hokudai.ac.jp/gmtaiwa/RISTEXreport.pdf
参考2:大規模対話フォーラム
http://www.agr.hokudai.ac.jp/gmtaiwa/
■ もっと情報がほしい場合は?
遺伝子組換え作物対話フォーラムプロジェクト
http://www.agr.hokudai.ac.jp/gmtaiwa/
遺伝子組換え作物対話フォーラムプロジェクト成果報告書
http://www.agr.hokudai.ac.jp/gmtaiwa/RISTEXreport.pdf