GMどうみん議会:RIRiC版 GM Jury
■ 何するの?
(参考1)
GMどうみん議会の仕組みは、電子電話帳から無作為に選ばれた3,000人の道民にアンケート調査票を送って、返送された中から参加希望の方たちを性別、年齢、地域バランスがとれるようにして16人を選び、その人たちに専門家からの情報を聴きとってもらいながら、グループや全体での討論をしてもらい、課題に対する回答をまとめ、公表してもらうというものです。討論者の他に、議論の進展を支援する進行役、情報を提供する専門家証人、公正な会議を準備し会議全体が滞りなく行われる状況を作り出し、チェックするための監督委員会から成り立っています。この全体のプロセスを動かすのが、実行委員会です。
この手法は、イギリスで2003年に行われたGM市民陪審参考にしています。市民陪審とは、12?25人程度の市民の討論者が、テーマに関する様々な立場の専門家の証人に話を聞き、質問したことをもとに討議し、判決文として研究開発や政策に関する意見や提言をまとめるものです。
ただ、GMどうみん議会はYESかNOを求めるだけの裁判とは違い、実行委員会が設定する「検討課題」に回答するという形にしました。
(参考2)
【10 月22 日(土)】 第1 日目(途中に休憩、昼食を含む)
〇9:00?9:10 「開会」
〇9:10?9:40 「自己紹介と検討課題の確認」
〇9:45?11:30 「専門家による情報提供1 「科学の側から」」
2 回に分けて全員で6 人の専門家の話を聞きながら遺伝子組み換え作物に関する情報を整理する。それぞれ20 分間の話の後に10 分間の質問時間をとる。話された内容について分からないことや疑問点があれば、追加説明を求めることができる。
◇作り出す側としてGM 作物研究開発の前線を紹介
田部井 豊(農業生物資源研究所)
◇大規模栽培になった時の環境影響とは
大澤 良(筑波大学大学院)
◇非GM 作物を用いた交雑に関する調査の紹介
柳沢 朗(北海道総合研究機構)
〇11:40?12:00 「専門家への質問1」
情報提供での疑問点や分かりにくかったことについて専門家が説明する
〇13:00?14:45 「専門家による情報提供2 「社会学や現場から」」
◇GM 作物はどう語られてきたか
山口 富子(国際基督教大学)
◇海外における組換え作物規制と共存をめぐる政策動向
立川 雅司(茨城大学)
◇JA とうや湖 子供達の豊かな未来へ"クリーン農業とうや湖"
遠藤 靖彦(JA とうや湖)
〇14:55?15:15 「専門家への質問2」
〇15:20?17:10 「グループ討論1」
専門家から得た情報を整理しながら、5,6 人のグループで検討課題について話し合う。検討課題ごとに全員が意見を述べ、キーワードを紙に書き出す。専門的な内容について確認が必要な場合は、専門家及び質問することができる。
〇17:25?18:10 「全体討論1」
グループ討論の結果をもとに全員で話し合い、検討課題ごとに意見を集約する。
18:15 終了
【10 月23 日(日)】 第2 日目(途中に休憩、昼食を含む)
〇9:00?10:00 「専門家との意見交換」
1日目の全体討論の結果をもとに、討論者と専門家による意見交換をおこなう。
〇10:05?11:45 「グループ討論2」
全体討論の結果や専門家との意見交換をもとに、グループで話し合う。専門的な内容について確認が必要な場合は、専門家証人及び質問できる。
〇11:55?12:05 「全体での確認」
グループごとに討論の結果を発表する。これが草案のベースになる。
〇12:50?16:55 「全体討論2、3」「まとめの議論」
検討課題1、2 の提言の草案を作る。
草案の原稿を検討し、提言を完成させる。
〇17:15?17:58 「プレス発表」
まとめた提言を報道関係者に向けて発表し、質疑に応じる
〇18:00 「閉会」
■ どういうときに使うの?(目的)
(参考2)
GM どうみん議会には目的が三つある。一つめは、討論者が仮想的な問題、具体的には北海道におけるGM 作物の栽培について議論する社会実験を行うことで、その際に活用する討論の枠組みは、GM jury として知られている手法である。二つめは、GM どうみん議会における「討論者の回答」を北海道に提出することであり、これは回答が行政内部でどのように扱われたのかを検証することも含む。三つめは、GM どうみん議会から派生する目的として、市民参加型リスクコミュニケーション・モデルとしての機能を検証することである。
■ 参加者は誰?
(参考1)(参考2)
◇討論者(アンケート送付3000名>回答625名>参加希望者158名>討論者16名)
討論者の役割は、討論を通してまとめられた意見を公表することです。専門家から情報提供を受け、進行役の支援を受けながら討論課題についてグループ討論と全体討論を行い、「意見」をまとめます。合意されたことを記者発表の場で読み上げて公表します。なお、合意できなかったことについては、読み上げの最後に付帯意見として添えます。
◇監督委員会
監督委員会の役割は、GMどうみん議会の方向性や運営が偏らないようチェックすることです。開催趣旨、討議する項目や会議設計を確定し、ハンドブックや資料の内容が偏らないよう気をつけ、専門的アドバイスを受けたものを最終的に承認します。進行役、専門家証人、討論者を確定します。当日は、監督委員会委員として公正中立に会議が進められているかを見てもらいます。いわばお目付け役です。
池田 隆幸 (食品衛生学:藤女子大学 教授)
大川三樹彦 (獣医師:さっぽろ獣医師会 副会長)
貴島 祐治 (育種学:北大農学研究院 教授)
鈴木 一人 (国際政治学:北大公共政策大学院准 教授)
田中いずみ ( コープさっぽろ組合員活動部理事)
中村由美子 ( 酪農家、女性農業者ネットワークきたひとネット事務局長)
森 久美子 (作家、農林水産省食料・農業・農村政策審議会委員)
◇専門家証人
専門家証人の役割は、討論課題に則した情報提供を行い、討論者の質問に答えます。討論者が討論している最中に出てきた問題についても、求められれば分担して答えます。討論者全員と専門家全員による意見交換の場が設定されていますので、討論が深まる形で参加します。なお、討論者と同じように二日間連続して参加します。
1.田部井 豊先生 (独)農業生物資源研究所 遺伝子組換え研究推進室 室長
2.大澤 良先生 筑波大学生命環境科学研究科 教授
3.柳沢 朗先生 北海道総合研究機構農業研究本部 中央農業試験場作物開発部長。
4.山口 富子先生 国際基督教大学教養部 アーツアンドサイエンス学科
5.立川 雅司先生 茨城大学農学部 教授
6.遠藤 靖彦先生 JJAとうや湖 営農販売部 クリーン農業推進課 課長
◇進行役
進行役の役割は、議論が円滑に進むことを促すことです。討論者が議論している内容に踏み込むようなことはしません。全体をまとめるのが総合司会で、グループ討論を担当するのがグループ司会です。司会補佐はグループ討論や全体討論で討論者が議論やまとめをする際の文字化や文章化を支援します。グループ司会補佐は、進行役の一員として円滑な進行を助けます。
総合司会 吉田省子 (GMどうみん議会実行委員会))
グループ司会
池野富美子(元コープさっぽろ組合員活動部理事)
竹田加代 (札幌消費者協会食と健康を考える会代表)
吉田陽子 (管理栄養士、フードマイスター)
■ 開催費用は?(資金源)
Ristex社会技術研究開発センター 研究開発プログラム「科学技術と社会の相互作用」 平成21年度採択課題 「アクターの協働による双方向的リスクコミュニケーションのモデル化研究」研究開発プロジェクト
■実施体制
◇実行委員会
実行委員会の役割は、GMどうみん議会を主催することです。日程と会場を確定し、討論者の選出方法を確定し、会議目的を定め、討議する項目や会議設計の方向性を定め、進行役の性格を定め、監督委員会委員を選出します。事務局を設置し実行委員会と監督委員会を補佐させます。事務局は、会議開催にいたるまでの諸事を担い、専門的アドバイスを多方面に求めながら、ハンドブックや資料等の草案準備をします。
実行委員長 飯澤理一郎 (北大農学研究院)
副委員長 上田哲男 (北大電子科学研究所)
相談役 栃内新 (北大理学研究院)
委 員
信濃卓郎 ((独)北海道農業研究センター)
芝池博幸 (独)農業環境技術研究所)
山際睦子 (北海道栄養士会食育推進員会、委員長)
大原眞紀 (北大農学研究院)
平川全機 (北大農学研究院)
吉田省子 (北大農学研究院)
■ 時間は?
討論イベント1泊2日。
アンケート送付2011年8月12日。北海道への「討論者の回答」手渡し2011年11月9日。
■ 参考文献
(参考1)パンフレット(当日配布)
http://www.agr.hokudai.ac.jp/riric/panf1.pdf
(参考2)
GMどうみん議会:RIRiC版 GM Jury報告書
http://www.agr.hokudai.ac.jp/riric/GM-domin-gikai-houkokusho.pdf
■ もっと情報がほしい場合は?
GMどうみん議会:RIRiC版 GM Juryサイト
http://www.agr.hokudai.ac.jp/riric/comon-img/gmjury/gmjury.htm
アクターの協働による双方向的リスクコミュニケーションのモデル化研究サイト
http://www.agr.hokudai.ac.jp/riric/02-work.html
Ristex 研究開発プログラム「科学技術と社会の相互作用」実施報告書
「アクターの協働による双方向的リスクコミュニケーションのモデル化研究」
http://www.ristex.jp/examin/science/interaction/index.html#h21